3年ぶりの開催となったカナダ・トロントでの一戦
レース開始のオープニングラップは、ポールポジションのハータがトップで1コーナーを通過、大きな波乱なく終了。しかし続く2周目の2コーナーで3ワイドのバトルが勃発。1番外側にいた佐藤が押し出される形でウオールに激突。左フロントのサスペンションが折れる深刻なダメージを負ってリタイア。このアクシデントでフルコースコーションとなる。
レースは5周目にリスタート。10周目にアレックス・パロウ(CHIP GANASSI RACING)が真っ先にピットイン、レッドタイヤからブラックタイヤに履き替える。トップ集団では2位のディクソンが18周目にピットイン。トップのハータが続く19周目にピットインするも、タイヤのウォームアップを終えたディクソンにアンダーカットを決められてトップを譲る。
中盤からレースは荒れ始める。45周目にローゼンクヴィストが、アウト側にいるアレクサンダー・ロッシ(ANDRETTI AUTOSPORT)ロッシを押し出してしまう。ロッシはウオールに激突してリタイア、再びイエローコーションが出てしまう。
タイヤ交換には少し早めのタイミングだが、イエローコーション中にほぼ全車がピットストップ。ステイアウトしたリナス・ヴィーケイ(ED CARPENTER RACING)とコナー・デイリー(ED CARPENTER RACING)が見た目上の1-2体制で50周目にリスタート。しかし56周目、今度はコースの一部の路面が剥がれてしまい、再びフルコースコーションとなる。このコーション中にデイリーがピットに入っている。
59周目にリスタートするも、カイル・カークウッド(A.J. FOYT ENTERPRISES)とジミー・ジョンソン(CHIP GANASSI RACING)が接触し2台ともコース上でストップ。4度目のフルコースコーションとなる。ここまでピットストップを引っ張っていたヴィーケイがタイヤ交換し、ディクソン、ハータ、ローゼンクヴィストというトップ3で67周目にレースがリスタート。
トップのディクソンが2番手ハータに対し2秒の差をつける中、3位のローゼンクヴィストがハータの0.6秒差まで詰める。トップのディクソンはハータとの差を守り抜きトップでゴール、今季初優勝を飾った。ローゼンクヴィストの猛追を凌いだハータが2位、ローゼンクヴィストが3位となった。
ディクソンにとって待ち望んでいた今季初優勝。さらにこの優勝はトロントでの4勝目、そしてインディカー通算52勝目となり、あのマリオ・アンドレッティに並ぶ快挙である。そしてディクソンの優勝により、チャンピオン争いがさらに激化することとなった。
佐藤琢磨は痛恨のリタイア
後方からのスタートとなった佐藤は混雑する中団グループの洗礼を受けてしまった。予選こそ19番手と下位に沈んでしまったが、決勝朝のウオームアップでマシンの感触が良かったという。さらに、チームメイトのグラハム・レイホール(DALE COYNE RACING)が佐藤と同じ戦略で4位入賞を果たしているだけに、悔しい結果となってしまった。
次戦はアイオワで行われるショートオーバルのダブルヘッダーだ。佐藤は今シーズンショートオーバルでいずれも上位のタイムを残しており相性は良い。次戦2レースともトップグループに食い込む可能性も考えられる。