フェラーリ、作戦どおりのポールポジション獲得
フリー走行からフェラーリとレッドブルの2強が超接近戦を繰り広げる中、土曜日の予選が行われた。ただし、カルロス・サインツ(フェラーリ)は予選前にパワーユニットを交換したためグリッド最後尾からのスタートが決まり、事実上、フェラーリのシャルル・ルクレールと、レッドブルのマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスがポールポジションを争うことになった。
その予選は予想どおり見応えのあるものになった。すでに最後尾スタートが決まっているサインツもQ3に進出したが、そこにはフェラーリのある作戦があった。
サインツはQ1→Q2を順調にクリアすると、Q3では使い古したソフトタイヤを履いて、チームメイトのルクレールにトゥを使わせるためだけに出走したのだった。計算どおり、ルクレールはDRSの使えないターン9からのストレートでサインツとの間隔を詰め、サインツのトゥを使って1分30秒872をマークしてポールポジションを獲得した。
単独でアタックしたレッドブルのフェルスタッペンとペレスは、ルクレールに届かず、2番手、3番手にとどまった。レッドブルとしては予選では「フェラーリにしてやられた」といったところだが、決勝では好位置から2台でルクレールと戦うことができるので、決勝での逆転も大いにありそうだ。
なお、ケビン・マグヌッセン(ハース)もパワーユニットを4基目に交換しており、サインツは最後列の19番グリッドから決勝スタートすることになる。
アルファタウリの角田裕毅は、Q2を10番手でクリア。アゼルバイジャンに並ぶ今季自己ベストの8番グリッドを獲得した。このところやや精彩を欠いていたがアップデートで復活。4列目から決勝でどこまで順位を上げるか注目したい。なお、チームメイトのピエール・ガスリーは予選Q1で渋滞とイエローフラッグの影響でタイムを伸ばせず、地元フランスGPで予選16番手、14番グリッドからのスタートとなったが、どうやらアルファタウリのアップデートはうまく機能しているようだ。
タイヤを供給するピレリは「決勝レースは予選とほぼ同じ時間に開始されるので、ほぼ同じ条件で行われるはずです。その予選は気温33度と路面温度50度とかなり暑く、風も方向を変え、空力性能に影響を与えました。この暑い条件では理論的に2ストップが最速ですが、タイヤをうまく管理すれば1ストップも可能性はあります。おそらくミディアムタイヤでスタートし、ハード→ミディアム、あるいはミディアム→ハードとなると思われますが、戦略はセーフティカーや各ドライバーの持ちタイヤによって変わってくるでしょう。 興味深いのは、ほとんどのドライバーが2セットのハードと1セットのミディアムを持っているのに対し、ポールのルクレールが1セットのハードと2セットのミディアムタイヤをレースに残していることです」と分析している。
決勝(53周)は日本時間7月24日22時(現地時間15時)に開始される。
2022年F1第12戦フランスGP予選 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:30.872
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 1:31.176
3位 11 S.ペレス(レッドブル) 1:31.335
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:31.765
5位 4 L. ノリス(マクラーレン・メルセデス) 1:32.032
6位 63 G.ラッセル(メルセデス) 1:32.131
7位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) 1:32.252
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル) 1:32.780
9位 55 C.サインツ(フェラーリ) -
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)-
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16位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)