フェルスタッペンが大逆転で今季8勝目、メルセデスは2戦連続ダブル表彰台
「表彰台に上がれそうな順位まで戻れれば、まあいいかなと思っていた。まさか勝てるとはね」
前日の予選でパワーユニットのトラブルに見舞われて10番グリッドからのスタートになったフェルスタッペンが、本人も驚きの大逆転劇で今季8勝目を掴んだ。
鍵となったのは決勝を前にしたパワーユニット交換で復調したRB18の好バランスとレッドブルの的確なタイヤ戦略だった。
フェルスタッペンはスタート直後からハイペースで順位を上げると、その後は早め早めのタイヤ交換で前走車をアンダーカット。41周目に選手権争いの最大のライバルであるシャルル・ルクレールを抜いた直後に360度スピンを喫して順位を落としたものの、追撃のペースを緩めずに45周目に再び抜き返し、51周目に第2スティントを引き延ばして粘っていたハミルトンがピットに入るとついに首位へ。
その後は危なげなくフィニッシュまで走り切った。レース後は「シフト時にクラッチが滑る症状があって、それが360度スピンをした原因。でもマシンが速くて、チームの戦略も良かった」と劇的な展開に満足気だった。
1-2必須の一戦で戦略ミス、フェラーリ大惨敗
ドライバーズ&コンストラクターズの両選手権でフェルスタッペンとレッドブルに遅れを取っているルクレールとフェラーリにとって、得意とされる中低速コースでのハンガリーGPは絶対に勝たなければならない一戦だった。
しかし、予選ではラッセルに土壇場でうっちゃられ、迎えた決勝に向けて選んだタイヤは2台揃ってミディアムタイヤ。主要なライバルたちが履くソフトに対して、ロングランでメリットを見出そうという戦略だったが、ポールポジションからスタートしたラッセルのペースはなかなか落ちず、逆にミディアムタイヤの持ちは期待ほどではなかった。
その後フェラーリは、ルクレールをミディアム→ミディアム→ハードの2ストップ、カルロス・サインツをミディム→ミディアム→ソフトの2ストップと戦略を分けたが、ルクレールが履いたハードは雨模様となったレース後半のコンディションに大外れ。
ルクレールはさらにもう一度ソフトに交換する羽目になり6位でフィニッシュ。ソフトのサインツもペースが上がらず、同じソフトを履いたハミルトンにかわされて、前戦に続いて2台揃って表彰台なしという惨敗となった。
これで2022年シーズンはフェルスタッペンとルクレールのポイント差が80点、レッドブルとフェラーリの差が97点と、両選手権ともに一方的な展開となってサマーブレイクを迎えることとなった。
F1グランプリは3週間のサマーブレイクに入り、次戦第14戦ベルギーGPは8月26日、スパ・フランコルシャン・サーキットで開幕、8月28日に決勝が行われる。
2022年F1第13戦ハンガリーGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)70周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+7.834s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)+12.337s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)+14.579s
5位 11 S.ペレス(レッドブル)+15.688s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+16.047s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +78.300s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +1周
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) +1周
10位 5 S.ヴェッテル( アストンマーティン・メルセデス) +1周
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12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル) +1周
19位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル ) +2周
ファステストラップ: 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:21.386
2022年F1ドライバーズランキング(第13戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)258
2位 C.ルクレール(フェラーリ)178
3位 S.ペレス(レッドブル)173
4位 G.ラッセル(メルセデス)158
5位 C.サインツ(フェラーリ)156
6位 L.ハミルトン(メルセデス)146
2022年F1コンストラクターズランキング(第13戦終了時)
1位 レッドブル 431
2位 フェラーリ 334
3位 メルセデス 304
4位 アルピーヌ・ルノー 99
5位 マクラーレン・メルセデス 95
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 27