2022年8月7日、静岡県にある富士スピードウェイで2022 SUPER GT第4戦「富士GT 100ラップレース」決勝が行われ、37号車KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)が優勝、ともに自身初優勝をあげた。2位に12号車カルソニックIMPUL Z(平峰 一貴/ベルトラン・バゲット)、3位には24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木 大樹/平手 晃平)が入った。

レース前半は24号車がリードする展開

SUPER GT第4戦「富士GT 100ラップレース」の決勝は気温26度、レース直前に降雨もあったがすぐに乾いてドライコンディションの中で行われた。予選でポールポジションを獲得したのは19号車WedsSport ADVAN GR Supraで、今シーズンこれまで4戦中3回目という予選番長ぶりを発揮した。

画像: 3戦連続のポールポジションとなった19号車、今度こそ結果を残せるか。

3戦連続のポールポジションとなった19号車、今度こそ結果を残せるか。

決勝は全車がドライタイヤでスタート。直前の降雨の影響からフォーメーションラップが1周追加されたこともあり100周の決勝レースは1周減算され99周に。そしてレースがスタート、オープニングラップはトップを堅持した19号車だが、2周目には予選2番手スタートの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zにその座を明け渡してしまう。

画像: 19号車がホールショットを奪うも、レース前半は24号車、37号車が速さを見せる。

19号車がホールショットを奪うも、レース前半は24号車、37号車が速さを見せる。

予選で3位につけた37号車は、レーススタート直後こそポールポジションの19号車(WedsSport ADVAN GR Supra)や24号車(リアライズコーポレーション ADVAN Z)の後塵を拝する展開になったものの、4周目の1コーナーで19号車をオーバーテイクして2位に浮上する。その勢いのままトップを行く24号車に食らいつきたい37号車だったが、ストレートスピードで伸びを見せるZ(24号車)の隙を与えない走りに阻まれてしまう。

画像: ストレートスピードが伸びる日産Z。直線が長い富士スピードウェイとの相性が良く、24号車は今季1番の走りを見せた。

ストレートスピードが伸びる日産Z。直線が長い富士スピードウェイとの相性が良く、24号車は今季1番の走りを見せた。

今レースは2回のピットストップ義務を課されているため、各車ミニマムの周回数で1回目のピットストップに入っていく。そんな中、37号車はトップの24号車に先駆けてピットイン。ドライバーをフェネストラズから宮田にスイッチしてコースへと復帰する。アンダーカットを狙っての作戦だったが、翌周にあたる38周目にピットインした24号車には届かない。

そのままのポジションでレースは進行し、中盤から後半にかけては24号車を射程圏内に捉えているものの決定打に欠き、なかなか迫れない37号車。後方から12号車(カルソニック IMPUL Z)も迫ってくる状況だったが、このセカンドスティントの戦略が勝敗を分けることになる。

2回目のピットストップ後に勝機を見出したトムス陣営と24号車

24号車を視界に入れつつも、なかなか仕掛けるに至らないもどかしい展開を強いられる37号車。ここでトムス陣営は、24号車の1回目ピットストップ時の静止時間が短かったことから、2回目のピットストップでは逆に長い給油作業を行うことを予想し、37号車に燃費走行を徹底するよう指示を出した。最後のピットインで逆転を狙う作戦に出たのだ。これを受けてドライバーの宮田は2位のポジションを守りつつ、2回目のピットストップの静止時間を大幅に縮めるべく燃費走行に徹する。

画像: トップの24号車に離されはしたものの、最後のピットストップで逆転を狙う37号車と12号車。

トップの24号車に離されはしたものの、最後のピットストップで逆転を狙う37号車と12号車。

そしてレース終盤、各車が最後のピットストップを迎える。トップ集団では24号車が最初にピットイン。多めに燃料を給油しなくてはならない24号車は36秒のピット作業を終えてコースに復帰。次いでピットインした37号車のピットストップタイムは、給油時間短縮により28秒! これで37号車は24号車を逆転しトップに躍り出た。さらに12号車もアンダーカットを狙って29秒でピットアウト、37号車に迫るものの平峰が1コーナーでコースオフして勝負は決した。

画像: 相手の動きを察知し、そこから導き出された作戦を完璧に実行し優勝を手に入れた37号車。

相手の動きを察知し、そこから導き出された作戦を完璧に実行し優勝を手に入れた37号車。

富士スピードウェイで調子の良い日産Z勢を相手に37号車Supraがトップでチェッカー。フェネストラズと宮田にとって嬉しいスーパーGT初優勝となった。2位に12号車、3位に24号車が入った。

画像: 一躍ランキングトップに躍り出た最年少コンビ。若さと勢いはシリーズを面白くしてくれるに違いない。

一躍ランキングトップに躍り出た最年少コンビ。若さと勢いはシリーズを面白くしてくれるに違いない。

初優勝を達成したGT500最年少コンビは一躍ランキングトップに浮上。次戦以降でウエイトが増えて厳しいレース展開を予測されるが、勢いに乗る若者ふたりの活躍は今後も見られるだろう。

第5戦は8月27日・28日に真夏の鈴鹿サーキットで行われる。ランキング上位勢にとってウエイトに苦しめられるレースとなるため、一方の今季未勝利チームにとってチャンスの多いレースとも言える。予測不能な次戦も見逃せない1戦となりそうだ。(PHOTO:井上雅行)

2022年スーパーGT 第4戦決勝 GT500結果

1位 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋) 99周
2位 12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+7.542s
3位 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)+12.863s
4位 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)+15.822s
5位 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)+41.978s
6位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+45.334s
7位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)+47.184s
8位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)+1'08.814s
9位 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)+1'24.628s
10位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)+1L

2022年スーパーGT GT500 ドライバーズランキング

1位 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋) 31
2位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)30
3位 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)26
4位 12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)24.5
5位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)23
6位 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)21.5
7位 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)21
8位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)19
9位 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)17.5
10位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)16

This article is a sponsored article by
''.