すべての動きに無駄がない“ダイナミックレスポンスプロ”
さらに新型レンジローバーでは、同ブランドとして初めて後輪の操舵機構を備えたオールホイールステアリングが標準装備となっている。後輪の操舵は50km/hまでの低速域では前輪と逆相に動き、最大で7.3度まで切れる。これにより、最小回転サークルは6.1mが実現された。
その速度を超えると後輪は前輪と同相に動く仕組みだが、一般道を走行している状態では後輪操舵の存在は意識させられなかった。とにかく、クルマとしての動きが自然に感じられてやはり、非常にスムーズな印象が伝わってくる。
乗り心地も実に具合がいい。オプション装備の23インチホイールに組み合わされるタイヤは285/40サイズだが、電子制御式エアサスペンションとのマッチングは至極良好だと感じられた。
きつめのコーナーが迫った時、減速のためにブレーキングしてもクルマとしての動きはしっかりとコントロールされている。これには、新型レンジローバーに新しく採用された“ダイナミックレスポンスプロ”の効果も大きい。
48Vシステムを採用した電動式スタビライザーによるアクティブロールコントロールシステムで、前後のサスペンションそれぞれにセットされている。電動式のメリットは油圧式よりもはるかに速く正確に動作することだ。
時代のトレンドに流されず、自ら道を切り開いていく究極のラグジュアリーSUVの最新モデルは、すべての動きに無駄がなく、あらゆるシーンでスムーズな走りを楽しませてくれた。いつか、オンロード、オフロードを問わずどんな条件下でもさり気なく、新しいレンジローバーを、スムーズ&スマートに乗りこなせるようになってみたいものだ。(文:香高和仁/写真:永元秀和)
◾取材車両データ レンジローバー オートバイオグラフィーP530 SWB(スタンダードホイールベース)
◎ボディカラー:バトゥミゴールド
◎インテリアカラー:ペルリーノインテリア エボニー
◎装着オプション
バトゥミゴールドボディカラー101,000円、SVビスポークパーフォレイテッドニアアニリンレザーシート 242,000円、23インチフルサイズスペアホイール 0円、23インチ“スタイル175”ホイール(グロスダークグレイ、コントラストダイヤモンドターンドフィニッシュ) 275,000円、ウインドスクリーン(ヒーター付) 34,000円、フロントセンターコンソール急速クーラーボックス 114,000円、家庭用電源ソケット 21,000円、テールゲートイベントスイート 55,000円、24ウェイ電動フロントシート(ヒーター&クーラー、ホットストーンマッサージ機能付き)&リアエグゼクティブクラスコンフォートシート 455,000円、ドライブレコーダー 94,600円、ディプロイアブルサイドステップキット(SWB用) 640,530円
◎車両価格 22,280,000円
◎オプション価格 2,032,130円
◎合計 24,312,130円
■レンジローバー オートバイオグラフィーP530 SWB(スタンダードホイールベース) 主要諸元
●全長×全幅×全高:5065×2005×1870mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:2560kg
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●総排気量:4394cc
●最高出力:390kW(530ps)/5500-6000rpm
●最大トルク:750Nm(76.5kgm)/1850-4600rpm
●燃料・タンク容量:プレミアム・90L
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:7.6km/L
●最高速度:250km/h
●0→100km/h加速:4.6秒
●車両価格(税込):2228万0000円