カーボンパーツの多用、空力性能やトラクション性能も、一気に向上
2022年8月、市販SUVのパイクスピーク記録を更新し、2022年8月19日、モントレー・カー・ウィークで正式発表となった「ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ」は、SUVの形をしたスーパーカーとしての臨界値を、一気に高めることになりそうだ。
徹底した軽量化とエアロダイナミクスを改善した新たなスタイリングと、パワートレーン系の改良、さらには新たなANIMAシステムの導入など、これまで「ウルス」が築いてきたス―パーSUVの常識を、あからさまに書き換えようとしている。
まずは第一報として、その改良点を列挙していこう。
■デザイン
・カーボンファイバー製パーツの多用による軽量化
・「Form follows function」(形態は機能に従う)という哲学を具現化した新エアロダイナミクスフォルム
・全長は25mm増加
■インテリア
・アルカンターラ、カーボンファイバーなど素材による軽量化
・プロレーサーのフィーリングをえられる機能性と洗練されたインテリア
・カスタマイズオプションも豊富
・先進のコネクテッド・テクノロジー
・ネロ・コスムス・ブラックのアルカンターラが標準装備
・シートステッチデザインは新しい六角形をモチーフに採用
・ドア、ルーフライニング、シートバック、リアウォールに専用のトリムオプションを設定
・アド・ペルソナムのカスタマイズメニューも豊富に
・センターコンソール画面、メインディスプレイなどのHMIディスプレイは専用グラフィックに。
■エンジン&トランスミッション
・最高出力を16psアップしたV8DOHCツインターボエンジン
・ペダルレスポンス向上、ターボブーストの立ち上がり、発進時のトラクション、シフトタイミングの改善による、ドライバビリティの総合的アップグレード
・新たなトルセンセンターデフによる、大トルクへの対応
・グリップの低い路面で最適なトラクションを確保
・ANIMAセレクターに、低グリップ路面でも最高のドライバビリティが得られる「RALLY」を新設定
・ダートトラックでのオーバーステア特性をレベルアップ、アンチロール制御などもより最適化
・0→100km/h加速は3.3秒、最高速度は306km/hに
■シャシー改良
・アクティブシャシーシステムを改良
・トルクベクタリングシステムを備えたリアホイールステアリングが進化
・リアホイールステアリングはより素早く最適なタイミングで介入、オンオフ問わずターンインの敏捷性を向上
・前後トレッドの拡大、サスペンションセットアップをよりスポーティに
・オプションでピレリ トロフェオ Rを装着可能
・スプリングを変更。20mmローダウン
・23インチまたは鍛造22インチの新デザインホイールを装着
■エアロダイナミクス改良
・フロントバンパーに新たにエアーカーテンを設定。ボディサイドの空気の流れを最適化
・リアスポイラーに、アヴェンタドールSVJからインスピレーションを得たカーボンファイバー製サイドフィンを装備。ダウンフォースを強化
・空力効率は10%向上、ダウンフォースは38%増加
・フロントボンネット上にエアアウトレットをダクト化、エンジンルーム内の冷却性能を向上
■軽量化
・カーボンファイバー製エレメントをコアに、全体的な軽量化を徹底(先代比47kg)
・フロントボンネット、ホイールアーチをカーボンファイバー化
・ルーフはフルカーボンファイバー製(オプション)
・超軽量チタン製アグラボヴィッチスポーツエキゾーストシステムを採用
・リアアンダーバンパー、ディフューザーもカーボンファイバー製
日本語版公式HPでも、そのエボリューションが詳しく解説されているが、なかなかにエキサイティングな内容には心震わせるものがある。劇的に幕を開けた「ウルス第二章」は、さらなる熱狂的ファンを獲得することになりそうだ。
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ 主要諸元
●全長×全幅×全高:5137×2026×1618mm
●ホイールベース:3006mm
●車両重量:2150kg
●エンジン:V8 DOHC ツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:490kW(666ps)/6000rpm
●最大トルク:850Nm/2250-4500rpm
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・75L●WLTCモード燃費:7.6km/L
●タイヤサイズ:前285/40ZR22・後325/35ZR22
●0→100km/h加速:3.3秒
●0→200km/h加速:11.5秒
●最高速度:306km/h