イタリア語で「カスタマイズ」を意味する「フォーリセリエ」
フォーリセリエ(FouriSerie)とは、イタリア語でカスタマイズを意味する。オーナー自身の「感情の表現」をクルマのカスタマイズを通じて実現するというものだ。つまり、オーナーに対し、自らの個性とクリエイティビティを表現する機会を提供し、クルマを真っ白なキャンバスと捉え、一からカスタマイズを加えることのできる、あらゆるデザインとカラーを用意するというプログラムだ。
その特徴は、以下の3点にまとめられる。
●スタイリッシュ:大胆なイタリアン デザインとパーソナライズの融合
●オーセンティック:モデナの自社工場で100%行われるパーソナライゼーション
●真摯な対話:2021年に専用のアトリエをモデナに開設し、パーソナライズされた魅力的な体験ができる
フォーリセリエのテーマは、「コルセ」と「フトゥーラ」のふたつに分けられる。マセラティの正規販売店でオーダーが可能な、専用のカスタマイズ&ペイントのプログラムだ。
実はもうひとつ、「サルトリア」と呼ばれるスペシャルプログラムもあるのだが、これは後述するグレカーレ「ミッション from マース」のような、モデナのアトリエで仕立てられるクルマを超えた最高レベルのパーソナライゼーションで、日本ではオーダーできない。
「コルセ」は、イタリア語で「レース」を意味する。古き良き時代、往年の栄光のレース史を彩った伝統的なディテールやカラーリングを、現代的に解釈したものだ。レーシングストライプを入れたカラーリングや、なめしレザーを思わせる独特の色彩を現代の技術で甦らせている。
「フトゥーラ」は、イタリア語で「未来」を意味する。先進のムードを放つ、バイオ ライムやグラファイト ブルーをはじめとしたドラマティックな色彩を内外装に採用。クルマだけでなく、さまざまな世界に散りばめられたヒントを基に先進的なマテリアルを開発している。
日本では、既にクワトロポルテ、レヴァンテ、ギブリの3車種はフォーリセリエによるオーダーが可能。MC20(クーペ & チェロ)は2022年秋以降に外装のみオーダーが可能で、2023年以降に内装やホイール/ブレーキキャリパーもオーダー可能になる。グレカーレに関しては、2023年以降にオーダーが可能になる予定だ。
火星をモチーフにした特別仕様車を日本初公開!
今回の発表会で日本初公開された、グレカーレ「ミッション from マース」の車名は、火星からの特別ミッションを意味する。つまり、火星からのオーダーを実現するという常識にとらわれないコンセプトのもと、火星をモチーフにした特別仕様車として2022年3月に世界初公開された。
火星の赤い砂と酸化した岩の組み合わせが特徴で、鉱物性の砂を思わせる特殊な質感のメタリックカラーで塗装され、腐食された金属をイメージしたデザインを車内や車外の構成部品に使用している。エクステリアは、フォーリセリエ特有の多層式カラーであるギャラクティックオレンジで塗装されている。未来感の強いマットカラーに近いオレンジレッドの樹脂に、溶けた金属を思わせる輝きを重ねて、滑らかなベースカラーを実現している。
墨色の透明なトップコートで保護された渦巻き型ホイールと灰色のタイヤは、諸般の事情で今回は装着されていなかったが、リアピラーにはハイスピードな動きをした際の感覚を彷彿とさせる専用デザインのトライデントがボディと一体化されている。
インテリアには、マセラティ史上最大の12.3インチ スクリーンが備わり、タップするだけで他の惑星へ航行できる(はず?)。天井には主要な星座が投影され、シートは火星で発生する電気の流れのイメージと宇宙服、そして最新のファッショントレンドをバランスよく組み合わせたものだ。
火星から飛び立ち、生まれ故郷のミラノに到着したグレカーレ ミッション from マースは、ついに東京にやって来た。さて、次はどこへ向かうのだろうか?