BEVラインナップ充実に積極的な体制で取り組むメルセデス・ベンツ。その本気ぶりは4ドアセダンのEQS、そしてEQEというラインナップを揃えたことからも伝わってくる。さらに驚かされるのはそのBEVでもAMGモデルをデビューさせていることだ。今回は新世代の「メルセデスAMG EQE 53 4マティック+(Mercedes-AMG EQE53 4MATIC+)」を体感した。(Motor Magazine 2022年9月号より)

刺激的な走りと質の高い乗り心地が共存

まだ日本には未上陸であるメルセデス・ベンツの電動ビジネスセダン、EQEに本国では早くもAMG版が登場だ。その名はメルセデスAMG EQE53 4マティック+(プラス)である。

大胆なワンモーションフォルムのボディは、縦スリット入りのブラックパネルグリルを始めとした定番パーツでコーディネート。インチまで揃うホイールは空力を意識したデザインとされている。

内装で目を見張ったのは、実は合成皮革のシート表皮だ。ナッパレザーも注文できるが、この時代、標準はレザー不使用なのである。

電気モーターはAMG車専用の高出力タイプを前後に2基搭載する。試乗した「AMGダイナミックプラスパッケージ」装着車では、合計最高出力505kW(687ps)、最大トルク1000Nmというアウトプットで、車重2.5トンにして、0→100km/h加速は3.3秒を誇るのだ。

画像: EQEのボディデザインは4ドアクーペといえる。よりサイズが大きいEQSはテールゲートを備えるのに対して、EQEは独立したトランクを持つ。

EQEのボディデザインは4ドアクーペといえる。よりサイズが大きいEQSはテールゲートを備えるのに対して、EQEは独立したトランクを持つ。

過激なスペックとは裏腹に日常域の走りは穏やか。豊かなトルクと質の高い乗り心地を満喫できる。やはり大きいのはエンジンの音と振動がないことに違いない。それでいてワインディングロードで鞭を入れれば、加速は文句なしに刺激的。しかも天井知らずに速度が伸びていくから、最初は恐ろしくて踏み切れないほどである。

馴染めないのはエンジンの咆哮の代わりにスピーカーから出力されるゲームのような電子音。手組みのV8の音と吹け上がりの代わりは、やはりなかなか務まらない。

車重にもかかわらずフットワークは軽快。前後トルク配分を自在に可変する4マティック+に伸び側、縮み側の減衰力を独立制御するダンパー、エアサスペンション、そして後輪操舵などがトータルで巧みに調律されたおかげだ。

このメルセデスAMG EQE53 4マティック+、日本にはメルセデス・ベンツ EQEと同時に年内には上陸する予定だという。さて、一体どんなユーザーにアピールできるのか楽しみである。(文:島下泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本)

画像: AMGモデルらしいスポーツシート。

AMGモデルらしいスポーツシート。

メルセデスAMG EQE53 4マティック+ 主要諸元

全長×全幅×全高:4964×1906×1492mm
ホイールベース:3120mm
車両重量:2525kg
原動機種類:モーター×2基
システム最高出力:460kW(626ps)
システム最大トルク:950Nm
駆動方: 4WD
一充電走行距離:459〜526km(WLTPモード)

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