電動化されたことで、カングーの自然志向がさらにグレードアップ
2021年8月、ルノーはのどかで牧歌的な大自然の中で、5つ星ホテル並みの快適さとおもてなしが楽しめるルノー・トラフィックべースの「ヒッピー・キャビア・ホテル」を発表した。そこには「旅に必要な空間的ゆとり、快適さ、モジュール性を備えた遊牧民的生活」がイメージされていた。
そんな「大自然への脱出」をテーマとするレジャービークル戦略第二弾となるのが、「ルノー ヒッピー・キャビア・モーテル」だ。ドイツ ハノーバーで開催された商用車ショー「IAA TRNSPORTATION」で発表された。
新型カングー L2 E-Techエレクトリックをベースとするこのモデルは、移動可能なレジャーのベースキャンプとして開発されている。フル充電時の航続距離は285km、45kWhのバッテリーから供給される電力によって、電気モーターは90kW(120hp)を発生する。急速充電なら、30分でおよそ170kmほどレンジが回復できるという。
自然の素晴らしさを体験するために、徹底された環境コンシャス
トラフィックよりは小ぶりということもあって、「5つ星」は少々オーバーなような気もするけれど、内外装のデザインアレンジはとてもモダンで、未来的な印象まで漂わせている。
「ヒッピー」というネーミングは、洗練されたデザインと天然素材を豊富に使ったインテリアが自慢のラグジュアリーホテルに由来するもの。「ヒッピー・キャビア・モーテル」では、棚やフローリングに、コルクやリサイクルタイヤなど、リサイクル系素材をふんだんに使っている。ちなみに「Caviar(キャビア)」は、フランス語的に「豪勢な暮らし」というニュアンスがあるらしい。
電動モデルだからこそ、自然の懐に深く入ることに躊躇することはない。夜になってベンチタイプのシートを折りたたむと、快適なベッドが出現。巨大なパノラマルーフ越しに、満点の星々を眺めながらまどろむこともできる。
もともと冒険心や遊び心に富んだカングーに、適度に上乗せされた上質感と優れた機能性は、旅を楽しむための才能に満ちている。日本での発売も大いに期待したいところだけれど、まずはこのクルマの魅力を満喫するための「人生のゆとり」(とくに時間的な)を確立することが先決かもしれないなぁ。