オフローダーとしてのスピリッツはしっかり息づいている
前回、昨年末の雪道取材にMMコンパス号が同行する予定ありとお伝えした。もちろん、その大役は無事に果たしたのだが、新年早々の6日、東京都心や近郊地域でも予想を超える降雪があった。準備万端を整えていたMMコンパス号は、そこでも何の問題もなくいつもどおりの活躍を見せてくれた。
まずは、昨年末の取材を担当したスタッフQのコメントである。
「MMコンパス号にとって、スノードライブはまさに“晴れ舞台”だった。雪景色を求めて、取材陣が目指したのは新潟県の妙高高原(残念ながらスキーはできなかった)。ドライの高速道路を出てから一般道をしばらく走ると、待望の雪道が登場する。しかもスノー、アイス、ドライが混在した、少しやっかいな路面状況だ。それでも、コンパスを運転していて不安を覚えることはほとんどない。深めの雪道でさえ、ほぼ躊躇することなく踏み入ることができる。見た目はかなり都会派なのに、ジープらしいオフローダーとしてのスピリッツはしっかり息づいている。道中で唯一、気になったのは、比較的気温が高いエリアでドライ路面の高速道路を走っている時、アクティブレーンマネジメント(ALM=車線維持を支援する機能)が車線逸脱を警告する際のフィーリングだった。自動的にアシストトルクをハンドルに加えてくれるのだが、クルマの反応にややタイミング遅れが感じられるような気がした。」
安心感のあるスタッドレスタイヤ&4WDと最低地上高の組み合わせ
で、なるほどと思っていたら年始、東京での積雪である。この日はお昼前後からパラパラと降り始め、最初は積もらないと思っていたものの、あれよあれよと言う間に本降りとなり、見渡す一面、見事なほど真っ白に積もっていた。夕刻には、都内の道路交通も混乱した状態となっていたが、担当者的にはむしろもっと降ってもOKぐらいの気持ちではあった。
夜になり、MMコンパス号をガレージから出庫。積雪や凍結した路面での安全性を高めるため「4WDロック」ボタンをオンにして、常時4輪駆動の状態で走り出す。過信は禁物だが、スタッドレスタイヤと4WD、確保された最低地上高という組み合わせは大きな安心感を生んでくれる。制動力も試して、感覚を確認しておく。道路状況は事前に調べて、開いている首都高速入口を利用。安全かつスムーズに帰宅することができた。
ちなみにスタッフQがコメントしてくれた“ALM”の制御だが、ジープやフィアットなどのモデルを複数台数担当した経験から言うと、これはドライバーに対して“車線から逸脱するぞ!”と警告して防ぐ制御なので、いわゆるLKA(レーンキープアシスト)のような自動運転的操舵支援とはフィーリングが異なる。注意を喚起するために意識的に“グイグイッ”と力強く介入することから、滑らかな制御を予想しているとタイミングが遅れるように感じられるのかもしれない。
■第6回/2021年12月18日~2022年1月21日(6カ月目)のデータ
・オドメーター:12018km
・走行距離:2343km
・給油量:227.6L
・実燃費:10.3km/L
■ジープ コンパス リミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4420×1810×1640mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4 SOHCマルチエア
●総排気量:2359cc
●最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
●最大トルク:229Nm/1700-3900rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:AWD
●燃料・タンク容量:レギュラー・60L
●WLTCモード燃費:11.5km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):509万円(当時)