現行モデル発売日:2022年1月13日
車両価格:267万円〜396万円
新ハイブリッドシステムを搭載して「デキるミニバン」へ
プラットフォームはTNGA「GA-C」を、ハイブリッドシステムは電動モジュールが一新された第5世代のシステムが搭載されるなど、基本がすべて刷新された。車内も大幅な改善が施され、Cピラーの左右間距離が従来比で+75mmと大幅に拡大され、開放感が大幅にアップした。
2列目シートは7人乗りはキャプテンシートとなり、オットマン、シートヒーター、サイドテーブルを装備。さらに、前後スライド量は745mmが確保されているので、サードシートを使わなければリムジンのような使い方もできる。運転支援システムは、ベースグレード以外にはトヨタチームメイトがオプションで用意されている。
実際に試乗してみると、間違いなく言えるのは、新型ノア/ヴォクシーは大変良質なファミリーミニバンに成長していた、ということ。その素性の良さは、駐車スペースから走り出した瞬間からじんわりと伝わってくる。通路をゆるゆる進みつつハンドルを切る、そろそろと加減速を調整する。そんな微妙に神経を使う時にも、操作感のすべてがとても自然で素直だ。
一般道へ出ると、しっかり感がさらに分かりやすく感じられた。タウンスピードで流していても挙動はしっかりしているのに穏やかで、終始リラックスして運転に集中することができる。
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誉めるべきはTNGAプラットフォームとミニバンスタイルの相性の良さ、なのだろう。フロア剛性だけでなくボディ全体の捻じれ剛性もバランスよく高めることで、四角い箱があらゆるシーンで「四角さ」を保ち続けてくれる。縦G、横Gの影響でヨレたりブレたりすることで感じられる、ミニバンにありがちな心もとなさが明らかに弱い。
類まれな静粛性や先進の安全運転支援システムなども含めて、まずは健康的な骨格が大切。新型ノア/ヴォクシーの「デキる」個性の数々は、そこから育てられたものなのだ。
ハイブリッドは、スタート時のEV走行での力強い加速感はたいしたもの。アクセルワークの匙加減さえ心がければ、20km/h過ぎまでデフォルト状態でモーター走行を維持できる。また、新型ノア/ヴォクシーのハイブリッドシステムではノイズの周波数を高めて人間の耳には聴こえないものに変え、実質的に消し去ることに成功している。
エンジンがスタートする時の音や振動も、うまく丸められている。また、回生ブレーキのタッチも自然で分かりやすい。減速という面については、下り坂などでドライバーのブレーキ操作を微妙にアシストする新機能が盛り込まれている。ドライバーがブレーキを踏む頻度が少なめになる、つまり加速だけでなく減速時にもスムーズな動きをサポートしてくれるわけだ。
一方のガソリンユニットも、素直さという点ではハイブリッドシステムにけっしてひけを取らない。思い切りパワフルでこそないけれど、吹き上がりに澱みが少なく、思いどおりに加速感をコントロールすることが可能だ。回転が上がっていった時の伸びも良さそうなので、高速道路でのパフォーマンスにも期待したいところだ。
トヨタ ノア/ヴォクシー 主要諸元
●全長:4695mm
●全幅:1730mm
●全高:1895〜1925mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1570〜1680kg
●エンジン:2L直4/1.8L直4+モーター(システム最高出力:140ps)
●駆動方式:FF/4WD
●トランスミッション:CVT/無段変速機
●WLTCモード燃費:15.0〜23.4km/L
●乗車定員:7/8名