フルエレクトリックのコンパクトSUV
2030年までに、北米では50%、欧州では100%の新車販売をBEV(バッテリー電気自動車)にするとジープが宣言したことは、以前に当Webモーターマガジンでも紹介した。その先陣を切るモデルとして、今回コンセプトモデルが発表されたのが、このアベンジャーだ。
コンパクトなパッケージのSUVだが、その中にジープ ブランドが培ってきた4WDの電動化機能が注入されている。アベンジャーの「集中した自由」の精神を体現するコンセプトモデルは、そのコンパクトなボディにデザイン、機能、そして革新性を融合させている。人目を引き、楽しく、そして独特なモデルの登場は、近い将来にジープの4xeモデルのバリエーションに追加されるだろう。
エクステリアでは、牽引フックや幅広のバンパーなどが特徴的で、より大きく露出してかなりアグレッシブなタイヤも装着している。オフロードでの走行性能を高めるために、最低地上高は200mmを超え、アプローチアングルは21度、デパーチャーアングルは34度。そしてブレークオーバーアングルは20度を確保している。
フロントまわりでは、クラッディングを厚くしてボディの保護を強化し、夜間走行時には視認性を向上させる追加のフラッドライトが組み込まれている。ボンネット上には反射防止ステッカーが貼られ、傷が付きにくいフロントグリルが、オフロードを走行するときの安心感を高めている。
目指すは世界ナンバーワンの電動SUVブランドだ
アベンジャー 4×4 コンセプトは、電動化によって強化された、ジープの伝説的な高い走破性の究極を表現している。オーナーは、ほぼ無音の状態で運転しながら、さらに多くのオフロード性能を、より楽しく、より自由に満喫できるのだ。
パリ・モーターショーの記者会見で、ジープ ブランド CEOのクリスチャン・ムニエは、次のように語った。
「ここパリで、私たちは新しい全電動4×4に対応したジープ モデルの完全なポートフォリオの実現は間近いことを示しました。私たちの明確な目標は、世界でナンバーワンの電動SUV ブランドになることです。ゼロエミッション フリーダムという使命を達成するために、私たちは歩み続けます」
前述のように、2030年までに100%電動化されるジープ車のポートフォリオに、この完全電動のアベンジャーも加わることになる。詳細は発表されていないが、ヨーロッパでは2023年モデルから、そして時期は未定だが、日本や韓国での販売も予定されている。