2022年10月21日(日本時間10月22日)、F1第19戦アメリカGPがテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する。前戦日本GPではマックス・フェルスタッペンが優勝、レッドブルが1-2フィニッシュを達成したことで、フェルスタッペンのドライバーズチャンピオンが決定したが、2022年F1シーズンはまだまだ終わらない。

レッドブルの2冠達成間近、ペレスの2位獲得で完全制覇も

シーズンは残り4戦、フェルスタッペン(レッドブル)のチャンピオンは決定したが、ドライバーズランキング2位争いは熾烈を極め、2位セルジオ・ペレス(レッドブル)と3位シャルル・ルクレール(フェラーリ)の差はわずか1ポイント。ふたりはこのところホイール・トゥ・ホイールの戦いを繰り広げているが、その決着はどのような形でつくのだろうか。

画像: 昨年2021年アメリカGPを制したフェルスタッペン。この勝利がチャンピオン獲得に結びついた。

昨年2021年アメリカGPを制したフェルスタッペン。この勝利がチャンピオン獲得に結びついた。

また4位のジョージ・ラッセル(メルセデス)はこの2レースでわずか4ポイントしか獲得できず、その間にカルロス・サインツ(フェラーリ)が急接近、4位の座を巡る争いも激しくなってきた。

その一方で、昨年の今頃はチャンピオンシップをリードする立場にいたルイス・ハミルトン(メルセデス)も調子を上げてきている。最多勝利記録持つ元王者としては、チームメイトに差をつけられたまま、今季未勝利では終われないところだろう。4位以降の戦いも注目だ。

■2022年 F1ドライバーズランキング(第18戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)366
2位 S.ペレス(レッドブル)253
3位 C.ルクレール(フェラーリ)252
4位 G.ラッセル(メルセデス)207
5位 C.サインツ(フェラーリ)202
6位 L.ハミルトン(メルセデス)180

コンストラクターズチャンピオンシップの争いも興味深い。チームにとってはコンストラクターズタイトルこそ大きな価値があるが、アメリカGPではフェルスタッペン擁するレッドブルが2013年以来のタイトルを決定する可能性が高い。V6ターボ+ハイブリッドパワー ユニットの導入以来、メルセデスの黄金時代が続いてきたが、それもいよいよ終焉を迎える時が来たということだ。

現在トップを走るレッドブルは619ポイント、2位のフェラーリは454ポイントでその差は165ポイント。残り4戦で獲得できる最大ポイント数は191ポイントであるため、レッドブルはあと4戦で26ポイントを獲得すればいいという絶対的有利な立場にいる。

アメリカGPで、たとえレッドブルが2台は揃ってリタイアしても、フェラーリは18ポイント以上獲得しなければならないため、レッドブルのアメリカGPでのコンストラクターズタイトル決定の可能性は高いと言えるだろう。

レッドブルがドライバーズとコンストラクターズの2冠を獲得するとなれば、パワーユニット供給に協力するホンダにとっても大きなニュースとなる。

■2022年 F1コンストラクターズランキング(第18戦終了時)

1位 レッドブル 619
2位 フェラーリ 454
3位 メルセデス 387
4位 アルピーヌ・ルノー143
5位 マクラーレン・メルセデス 130

地形を生かしたチャレンジングなコース設定

ここで、アメリカGPが行われるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas=COTA)を見てみよう。

画像: サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りの全長5513mのコースに多様な20のコーナーが配される。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りの全長5513mのコースに多様な20のコーナーが配される。

このサーキットは、2012年、テキサス州オースティンにF1グランプリ開催のために新たに建設されたコース。設計はヘルマン・ティルケによるもので、多様な高速コーナーがある一方で、低速コーナーも多く、しかも高低差があり、マシンとタイヤに多くの性能を要求するバランスの取れたレイアウトとなっている。

反時計回りで、急勾配を駆け上がるターン1や多様な高速コーナー、ロングストレートなど見どころも多く、地形を生かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定はドライバーからも人気が高い。

ただしコースには場所によってバンピーな部分が見られ、2020年に部分的に再アスファルト化されたほか、昨年にも対応が施されているが、路面の凹凸により車高を上げて走行する必要が生じる可能性がある。チームはデータを注意深く調べて、ストレートスピードと低速でのグリップのバランスをどう取るか、最適なセットアップを見つけることが重要となる。

昨年2021年のアメリカGPでは、ポールポシションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選2位のルイス・ハミルトン(レッドブル)との一騎討ちを制して優勝、2位にハミルトン、3位にはセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が入っている。レースはハミルトンのリードで始まったが、フェルスタッペンは早めのタイヤ交換で首位を奪い返すと、最後までハミルトンの猛攻を凌ぎ切った。チャンピオン争いを繰り広げるふたりの見応えのある攻防だった。

画像: 昨年2021年アメリカGPではフェルスタッペンとハミルトンのバトルが繰り広げられた。

昨年2021年アメリカGPではフェルスタッペンとハミルトンのバトルが繰り広げられた。

画像: 昨年2021年アメリカGPの各ドライバーのタイヤ戦略。ほぼ全車が2 ストッパーとなった。

昨年2021年アメリカGPの各ドライバーのタイヤ戦略。ほぼ全車が2 ストッパーとなった。

【参考】2021年F1第17戦アメリカGP決勝 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)56周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+1.333s
3位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+42.223s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+52.246s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+76.854s
6位 77 V.ボッタス(メルセデス)+80.128s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+83.545s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+84.395s
9位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周
10位 5 S .ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+1周

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