完璧なタイヤマネージメント、フェルスタッペンがシーズン最多勝記録更新
レッドブルはソフトタイヤ、メルセデスはミディアム。スターティンググリッドに並んだ各車からタイヤウォーマーが外された瞬間、予選上位4台のタイヤ選択が分かれたことが明らかになった。
スタートの蹴り出しは当然ソフトが優位。フェルスタッペンが楽々と首位を奪い、その後方ではジョージ・ラッセルとペレスが先陣争いをする間隙をついて、ハミルトンが2番手に浮上する。スタートタイヤを考えるとメルセデスの戦略は1ストップが予想されるため、フェルスタッペンとしては1回目のタイヤ交換までにできだけ差を広げたいところだったが、ハミルトンも食らいついて逃げさせない。
しかし、ここでメルセデスにとって予想外の状況が起きる。今回のエルマノス・ロドリゲス・サーキットはタイヤのタレが少なかったのだ。
フェルスタッペンはギリギリまでソフトタイヤを引っ張って25周目にピットインしてミディアムへ交換。一方のハミルトンは30周目にミディアムからハードへと交換する。順位は再びフェルスタッペン-ハミルトンのオーダーに戻ったものの、残りはまだ41周もあり、ミディアムがタレてフェルスタッペンがタイヤ交換に入れば、ハミルトンが首位に立って一気に優位に立てるはずだった。
ところがこの第2スティントでもミディアムタイヤの持ちが良く、対照的にメルセデスの履くハードタイヤはペースが上がらない。レッドブルはそのままメルセデスとの差を広げ、なんと1ストップのままレースを走り切ってしまった。
結果的に完勝の形となったフェルスタッペンはこれで今季14勝目となり、シーズンの最多勝利記録を更新。敗れたハミルトンは「レッドブルは速すぎたし、戦略も良かった。こっちもスタートタイヤをソフトにすべきだったかもしれない」と悔しさを滲ませた。
次戦第21戦ブラジルGPは、11月11日〜13日、サンパウロ近郊のインテルラゴス・サーキットで開催される。
■2022年 F1第20戦メキシコGP 決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)71周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+15.186s
3位 11 S.ペレス(レッドブル)+18.097s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +49.431s
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)+58.123s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+68.774s
7位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+1周
8位 31 E .オコン(アルピーヌ・ルノー)+1周
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1周
10位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+1周
・・・・・・・・・・・・・
13位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+1周
リタイア 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )+70.919s
ファステストラップ: 63 G.ラッセル(メルセデス) 1:20.153
■2022年 F1ドライバーズランキング(第20戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)416
2位 S.ペレス(レッドブル)280
3位 C.ルクレール(フェラーリ)275
4位 G.ラッセル(メルセデス)231
5位 L.ハミルトン(メルセデス)216
6位 C.サインツ(フェラーリ)212
■2022年 F1コンストラクターズランキング(第20戦終了時)
1位 レッドブル 696
2位 フェラーリ 487
3位 メルセデス 447
4位 アルピーヌ・ルノー 153
5位 マクラーレン・メルセデス 146