「復活したメルセデス」の速さは本物か
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の連勝記録、シーズン最多記録が伸びるか注目された前戦ブラジルGPで、このところ調子を上げていたメルセデスがついに覚醒、ジョージ・ラッセル→ルイス・ハミルトンが1-2フィニッシュを飾ってF1ファンを驚かせた。
レッドブルは表彰台にも届かず、6位、7位となり、シーズン終盤になって流れが変わってきたことを感じさせた。
こうなると注目は、来シーズンも見据えた「レッドブルvsメルセデス」の対決。レッドブルが盛り返すのか、それともメルセデスが連勝するのか、最終戦にしてルイス・ハミルトンの今季初優勝はあるのだろうか。
「コンストラクターズ2位は確定」とばかりに来シーズンの準備に傾注していた感のあるフェラーリもうかうかしていられなくなった。
ドライバーズ部門では、フェラーリのシャルル・ルクレールとレッドブルのセルジオ・ペレスが同点で2位に並んでおり、最終戦でチーム戦略も含めた熾烈な戦いが見られそうだ。
■2022年 F1ドライバーズランキング(第21戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)429
2位 C.ルクレール(フェラーリ)290
3位 S.ペレス(レッドブル)290
4位 G.ラッセル(メルセデス)265
5位 L.ハミルトン(メルセデス)240
6位 C.サインツ(フェラーリ)234
■2022年 F1コンストラクターズランキング(第21戦終了時)
1位 レッドブル 719
2位 フェラーリ 524
3位 メルセデス 505
4位 アルピーヌ・ルノー 167
5位 マクラーレン・メルセデス 148
決勝は日没前にスタートし、照明の下でゴールを迎える
アブダビGPの舞台となるヤス・マリーナ・サーキットは、アラブ首長国連邦のヤス島にあるレースコース。大規模なリゾート開発計画の一環として建設されたもので、周辺にはフェラーリのテーマパーク「フェラーリ・ワールド」や、メガヨットに対応したマリーナ、ゴルフコース、5つ星ホテル「ヤス・ホテル」といった豪華な施設が立ち並ぶ。
コースは、2本のロングストレートと連続する90度コーナー、低速セクションで構成される。昨年、ターン5前にあったシケインをなくしてヘアピンを広くしたり、複数の低速コーナーをひとつの長いバンクターンにするなどのコース改修が行われている。砂漠から飛来する砂で滑りやすいセクションもあるが、アップダウンはほとんどなく、またコース幅が広くエスケープゾーンも多いため、セーフティカー導入は少ない。
コース形態でもうひとつ特徴的なのはピットロード。ピットを離れた後、コースの地下をくぐり抜けてから本線に合流する。これによりピットレーンの全長は長くなり、狭いトンネルは滑りやすく注意が必要で、タイヤ交換のためのタイムロスが通常より大きい。
アブダビはこの時期、雨の心配はほとんどなく、日中の平均気温は28度。平均路面温度は31度ほど。ただし、夜間に向けて気温の低下が著しい。
アブダビGPはF1史上初めてトワイライトレースとして開催されたことでも知られる。決勝は日没前にスタートし、その後、照明の下での完全な夜間走行となる。レース終了後に花火が打ち上げられる演出もこのGPから始まった。