「プロパイロット2.0」を最上級モデルに標準装備
1991年のデビュー以来、激戦区のミドルクラスミニバンのマーケットで着実にファミリー層の心をつかんできた日産「セレナ」。今回のフルモデルチェンジで6世代目となった新型「セレナ」は、これまでの「ビッグ」、「イージー」、「ファン」をコンセプトとする 室内空間の広さや利便性をそのままに、移動時の快適性を追求した車内Wi-Fiなどの「コネクト」の充実が図られている。
まず注目したいのが、先進運転支援技術「プロパイロット」の全車標準装備だ。特に、最上位グレード「 e-POWER ルキシオン(LUXION)」には、全車速域でハンズオフが可能な「プロパイロット 2.0」が標準装備となる。これは日産のミニバンとして初の試みだ。
そして、前方障害物に対する操舵回避の際、ドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」や、一度駐車した場所を駐車枠として記録することが出来る、メモリー機能付きの「プロパイロット パーキング」の日産車初採用も行われている。
加えて、「 e-POWER ルキシオン」には、リモコン操作で車の出し入れが可能となる「プロパイロット リモート パーキング」も搭載される。
第2世代へと進化した「e-POWER」。エネルギーマネージメント技術を採用
日産のハイブリッド技術の核となる「e-POWER」も第2世代へと進化している。新開発の1.4L(98ps/123Nm)「 e-POWER」専用エンジンを組み合わせることで、エンジンの作動音を抑制するとともに、よりパワフルで気持ちの良いモーター(163ps/315Nm)による加速性能を実現しているという。
車両状態や走行環境に加え、ナビと連携しながらエンジン作動タイミングを制御する世界初のエネルギーマネジメント技術にも注目したい。これはエンジンの作動頻度を低減するとともに、静粛性を高める効果を狙った技術だ。
ロングドライブで気になるクルマ酔いへの対策も行われている。第2世代 e-POWERと高剛性サスペンションが車体の動きをなめらかにするとともに、新開発のシートが車体の揺れの伝達を抑え、クルマ酔いにつながる乗員頭部の急な動きを抑制するというものだ。
加えて、見晴らしがよく開放的な視界と最適なモニター配置により、視覚的にもクルマ酔いの低減も図られている。ミニバンNo.1の運転席の視界の広さ(全高1.8m以上の 1.2〜2.0Lクラス 7/8人乗りミニバン-2022年 11月現在日産調べ-)は、運転のしやすさへの貢献だけではないのだ。
アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step」の操作性向上も行われている。高剛性ステアリングを採用することで操縦安定性を高め、ミニバンが苦手とする横風を受け流す車体構造によりふらつきを抑えることで、高速でも安定した走りを実現したという。