総走行距離1524km、うち競技区間637kmを走破して優勝!
3年ぶりの開催となったAXCRは、11月21日にタイ東北部のブリラムで大会最初のスペシャルステージ(以下、SS)を行った後にセレモニアルスタートを実施。翌22日のレグ1から24日のレグ3まではブリラムを起点として周辺に設定されたSSで競った。
25日のレグ4はブリラム周辺でのSSを終えた後にカンボジアとの国境線を超え、26日のレグ5ではカンボジア北西部のシェムリアップ周辺でSSを行った後、観光名所アンコールワットの近くで華々しいセレモニアルゴールを迎えた。
タイでの前半戦は荒れた乾燥未舗装路での高速ステージが主体で、後半戦は大雨によるぬかるんだ路面に大きく深い水たまりなども点在するなど難易度が増し、カンボジアではそれまでの5つのステージに比べてより厳しいコースが待ち受けていた。
トライトンの105号車を駆るチャヤポン・ヨーター選手は、初日のSS1を5位で終えて好感触を掴むと、2日目の今大会最長となる約203kmのSS2でトップタイムを記録して総合首位に浮上。その後、トライトンの力強い走りと軽快なハンドリングで、SS3を7位、SS4を6位、SS5を5位、SS6を5位と安定して上位でゴールし、SS2で築いたリードを守り切って総合優勝を果たした。
118号車のリファット・サンガー選手はSS1でチームメイトに続く6位となり上位を目指すも、SS2でパンクを喫した後、足回りを損傷させるなどで8位に後退。チームの修復作業により翌日以降も競技を続行すると、SS3を4位、SS4を5位、SS5を4位、SS6を7位と安定したタイムで総合5位まで浮上し、ラリーを通じてトライトンのタフさを証明した。
119号車のサクチャイ・ハーントラクーン選手はSS1終了後に体調不良を訴え、新型コロナウイルスの検査結果で陽性となり、残念ながらリタイヤすることになった。
なお、AXCRに参戦したトライトン ラリーカーのレプリカは、三菱自動車本社ショールームで展示中だ。三菱ファンやモータースポーツ ファンなら、AXCRを走破した雄姿に思いを馳せて、ぜひ見に行ってみたいものだ。
■チーム三菱ラリーアート 増岡 浩 総監督コメント
「今回は市販車の高い信頼性と耐久性をベースに、エンジンや足回りをチューニングした比較的市販車に近い仕様でAXCRに臨みましたが、2台のトライトンは力強い走りを披露して上位完走を果たしたことを大変誇らしく思います。トライトンの性能を引き出して素晴らしい走りを見せてくれたドライバー、ラリー車を毎日完璧に仕上げてくれたエンジニア、サポートしてくれたスタッフすべての素晴らしいパフォーマンスがあったからこその結果、そして三菱自動車が長年培ってきたノウハウによる賜物です。また、協賛各社様からの多大なるご支援、世界各地のファンのみなさまからの熱い応援メッセージがあったからに他なりません。AXCRの参戦を通じて得たノウハウを市販車の開発にフィードバックし、いっそうタフで力強く頼もしい三菱車をつくっていきたいと思います」
■AXCR 四輪部門 総合成績
1位 チャヤポン・ヨーター(三菱トライトン) 8時間22分42秒
2位 ジャラス・ジェンカモルクルチャイ(トヨタ・ハイラックスRevo) 8時間28分29秒
3位 塙郁夫(トヨタ・フォーチュナー) 8時間28分34秒
4位 青木拓磨(トヨタ・フォーチュナー) 8時間38分26秒
5位 リファット・サンガー(三菱トライトン) 8時間39分56秒
6位 タウィー・ネワンナ(いすゞD-Max) 8時間51分24秒
■トライトン 競技車(T1仕様) 主要諸元
●全長×全幅:5300×1815mm
●ホイールベース:3000mm
●トレッド 前/後:1520/1515mm
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:2442cc
●最高出力:133kW(180ps)
●最大トルク:430Nm(43.9kgm)
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:スーパーセレクト4WD-II
●サスペンション 前/後:ダブルウイッシュボーン/リーフリジッド
●ブレーキ:4輪Vディスク
●タイヤサイズ:265/70R17(ヨコハマ ジオランダーM/T G003)