F1界の名門、そしてモータースポーツの古豪が参戦
2022年シーズンを有終の美で終え、世界王者に輝いたメルセデスEQがフォーミュラEから撤退。しかし今シーズンからF1でお馴染みのマクラーレンとイタリアの名門マセラティが参戦する。F1でもメルセデスのPUを載せているマクラーレンだが、2022年で撤退したメルセデスEQを買収し「ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム」として引き継ぐ。
初参戦ながら前年のチャンピオンチームという体制、さらにメルセデスEQのチームプリンシパルだったイアン・ジェームスが引き続きチームに携わるなど、初戦から上位を狙える布陣と言える。また、パワートレーンは日産のものを使用する。
そして大きな話題となったのが、古豪マセラティの参戦だ。アイコニックなブランドのフォーミュラE参戦は驚きを持って報じられた。市販車部門で電気自動車ブランド「フォルゴーレ」を立ち上げただけに力が入っているものと推測される。
メルセデスEQのカスタマーチームとして参戦していたヴェンチュリーは、メルセデスEQ撤退を機にマセラティと提携。2023年シーズンから「マセラティ・MSG・レーシング」として参戦する。こちらも2022年シーズンでランキング2位を獲得したチームとのタッグということもあり、強力な体制で初戦に臨むことになる。
この新チームがさっそく良い成果を残している。2022年12月13日〜16日にスペインのリカルド・トルモ・バレンシア・サーキットで公式プレシーズンテストが行われ、速さを見せたのがマセラティだったのだ。初日、2日目で総合トップのタイムを記録し、最終3日目にも総合4番手につけるなど印象的な走りを見せている。
そしてもうひとつ、シーズン7までアウディのワークスチームとして参戦していたアプトがシーズン9で復帰する。アウディの撤退によりシーズン8には参戦しなかったアプトだが、2017年にチャンピオンを獲得したチームなだけに、チャンピオンシップ争いを面白いものにしてくれるに違いない。
今回はセアトの高性能車ブランド「クプラ(Cupra)」と提携し、「アプト・クプラ・フォーミュラEチーム」として参戦する。パワートレインはマヒンドラのものを使用。
2023年フォーミュラE体制
Team | Powertrain | Drivers |
---|---|---|
McLaren | Nissan | レネ・ラスト/ジェイク・ヒューズ |
Maserati | Maserati | エルアルド・モルタラ/マクシミリアン・ギュンター |
Techeetah | TBA | TBA |
Jaguar | Jaguar | ミッチ・エバンス/サム・バード |
Envision | Jaguar | ニック・キャシディー/セバスチャン・ブエミ |
Andretti | Porsche | アンドレ・ロッテラー/ジェイク・デニス |
Porsche | Porsche | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/パスカル・ウェーレイン |
Mahindra | Mahindra | ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ローランド |
Nissan | Nissan | ノーマン・ナトー/サッシャ・フェネストラズ |
Nio 333 | Nio 333 | セルジオ・セッテ・カマラ/ダン・ティクタム |
DS Penske | DS | ストフェル・バンドーン/ジャン-エリック・ヴェルニュ |
Cupra Abt | Mahindra | ロビン・フラインス/ニコ・ミューラー |