森の中のやすらぎのリビング
近年の猛烈な暑さのせいもあって、夏場や残暑厳しい初秋にかけてはどうにも涼しい場所へと逃避したくなる。そんな時、真っ先に思い浮かべる場所が長野県の蓼科方面だ。関東圏からも中京圏からも高速道路を使って2時間半ほどで行けて、高原に森、湖と涼しくも心地よい場所が広がっているからだ。それに、蓼科は山間の別荘地として認識されているからだろうか、軽井沢や箱根といった有名観光地ほど混雑していないのがいい。
加えて、ビーナスラインにメルヘン街道、八ヶ岳エコーラインなどドライブを楽しめる道がこの蓼科エリアを軸に伸びているから、ドライブ三昧の拠点としても優れているのだ。
霧ヶ峰やあのフレンチブルーミーティングの開催地、車山高原をはじめ白駒池、諏訪エリアなど、周辺には名所やスポットも数多く点在している。せっかくの遠出なら何日間か滞在して、各所を巡りながらこの素晴らしい自然を満喫したいものだ。
連泊利用に嬉しいコンドミニアムスタイル
そんな蓼科のステイ先としておすすめできるのが、「ホテルハーヴェスト蓼科」である。八ヶ岳の一角をなす蓼科山の山麓、標高約1300mの地に広がる「東急リゾートタウン蓼科」内にある宿泊施設だ。
ホテルといってもコンドミニアムスタイルとしているのが特徴で、館内にはレストランはなく、そのかわりキッチンを備えている。これは何日間かの滞在にはありがたく、自由気ままに過ごせるのがうれしい。料理は面倒という向きであっても心配無用。近接する「東急ハーヴェストクラブ」や「蓼科東急ホテル」のレストランがあるほか、各レストランの食事付きのプランやテイクアウトのメニューも揃う。
客室は北欧の民家をイメージしたウッド調の設えで、スタンダードタイプでも45平方メートルと広く、自然豊かな森と八ヶ岳を眺めながら、ゆったりと寛ぐことができる。戸建ての別荘でこの眺望はなかなか経験できるものではないだろう。
さらに、温泉スパ施設「鹿山の湯」も併設されているからうれしいことこのうえない。天然温泉を使った内湯に露天風呂、サウナが揃うだけでなく、温泉プールまでもある。森の香りに包まれながら湯に浸る時間はまさに至極の悦びである。
リゾート自体も魅力がある。森の中に数々のアクティビティ施設やテナントが点在していて、遊びには事欠かない。名門の「蓼科東急ゴルフコース」を筆頭に、テニスコート、トレッキングコース、ドッグランなどが整っているほか、ファミリー向けには森の中で遊ぶフォレストアドベンチャー施設や釣り堀までもがあるのだ。こうした遊びやリフレッシュの時間がすぐに楽しめることから、休暇だけでなくワ―ケーションで利用する人も増えているという。
しかし、何よりもこの八ヶ岳の清々しい空気がいい。「ホテルハーヴェスト蓼科」はそんな空気を堪能できる、まさに森の中のリビング。別荘で過ごすかのようにステイが楽しめる場所である。(文:小倉 修)