アルファロメオブランド共通の魅力は、見た目、そして乗り心地だ。公道では試せない、ディープな味わいに、ミニサーキットで酔いしれた。(Motor Magazine2023年2月号より)

あなどれないアルファのディーゼルモデル

画像: ロングノーズ、ショートデッキ、FR、無電動のセダンという王道スタイル。伝統的なスポーツセダンである。

ロングノーズ、ショートデッキ、FR、無電動のセダンという王道スタイル。伝統的なスポーツセダンである。

長い歴史と伝統に裏打ちされた欧州発のメーカーは数多あっても、ここほど豊かなヒストリーに事欠かないブランドはないと思えるのがアルファロメオである。2022年2月に世界初公開されたブランニューモデル、トナーレの日本上陸も秒読み段階と目される今、その登場に期待を込めて現ラインナップ中のジュリアとステルヴィオの走りを、改めてミニサーキットでチェックした。

4ドアセダンでありながら、その姿に妖艶さすら漂うジュリア ヴェローチェに8速ステップATを組み合わせ、搭載される心臓はターボ付き2Lの4気筒ユニット。シリーズのフラッグシップで別格のパフォーマンスを誇るクアドリフォリオほどの強心臓ではないものの、こちらに搭載されるユニットも最高出力が280psで最大トルクも400Nmと1.6トン少々のボディを駆るには十二分なスペックの持ち主だ。

実際、アルファロメオ車ならではのDNAドライブモードシステムで、もっともホットなモードを示す「D」(Dynamic)のポジションをセレクトするまでもなく、その走りのテイストはスポーティそのもの。バランスの良いFRレイアウトの持ち主であることを存分にアピールする素直でコントロールしやすい操縦感覚に、改めてその素性の良さを教えられることになった。

サイズ、重量のハンディキャップをものともせず

画像: ドライビングロードで有名なアルプスのステルヴィオ峠の名に相応しい、高いコーナリング性能を誇るSUV。

ドライビングロードで有名なアルプスのステルヴィオ峠の名に相応しい、高いコーナリング性能を誇るSUV。

ところが、そんなジュリアから乗り換えると「やっぱりこのクルマもアルファロメオだなぁ」と感心させられたのがステルルヴィオである。

ジュリアに比べると車重が200kgほども重く、全高も25cmほどのプラスと運動性能上のハンディキャップはとてつもなく大きいはずなのだが、ジュリアと同等とまでは行かないまでも、次々と迫りくるコーナーを難なくこなし、4輪も信頼できるその接地感を簡単に失ったりすることはない。

テ ストドライブを行ったディーゼルバージョンのTIグレードは、ガソリンユニットとは別ものの特有の粘り強さと、低回転域から発せられる圧倒的に強いトルク感が見逃せないテイスト。本来、ミニサーキットのようなツイスティでエンジン回転数も激しく上下するコースは得意としないはずなのに、そこを苦もなくクリアしてしまう。

アルファロメオの魅力を知り尽くした人こそ、そんなディーゼルを選ぶのかも知れない。(文:河村康彦/写真:伊藤嘉啓)

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