2023年2月7日、横浜ゴムは北海道・旭川にあるタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(以下、TTCH/Tire Test Center of Hokkaido)」の中に、屋内氷盤旋回試験場を開設したと発表した。

ユーザーが冬用タイヤに求める性能向上のため

スタッドレスタイヤは雪上走行性能、氷上走行性能、耐摩耗性能などさまざまな面で進化をしてユーザーニーズに応えてきた。ではこうした性能の中でも、ユーザーが最も重視するものはなにかといえば、特に制御が難しいとされる「氷上」を安全に走行するための安定性で、第1位は氷上制動、第2位は氷上旋回なのだという。

こうした市場からの需要に応えるため、またタイヤ事業のグローバルな拡大に対応するため横浜ゴムは2015年12月にTTCHを開設、さらに屋外試験場と比べて天候や気温などの外的要因から影響を受けにくい屋内の氷盤試験場を2018年1月から運用を開始している。

また屋内氷盤試験場に張られた氷の表面温度を-10度~0度にコントロールできる冷媒装置を2020年に導入して、より高度なテスト環境を作ることで開発の効率化も図られている。

画像: 横浜ゴムの北海道タイヤテストセンター内に設置された屋内氷盤旋回試験場の外観。

横浜ゴムの北海道タイヤテストセンター内に設置された屋内氷盤旋回試験場の外観。

そして今回、新たに2023年1月から同敷地内で運用を始めたのが「屋内氷盤旋回試験場」だ。その名のとおり冬用タイヤで重要視される項目第2位の氷上旋回性能を安定的にテストするための施設で、内部には半径10~22mの旋回円を描くことのできる空間と氷盤が敷かれている。

この試験場は氷盤旋回の屋内試験施設としては国内最大を誇り、試験データの精度を向上、より高度な技術開発を効率的に行えるようになった。これにより、ユーザーから求められている性能の向上を図ってくのだという。

北海道タイヤテストセンター 概要

・名称:北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)
・敷地面積:90万6462平方メートル
・試験対象:乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤ(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)
・試験コース:周回路(全長2.3km/直線約1km)、氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、圧雪ハンドリング路(勾配5%/全長1.1km)

屋内氷盤旋回試験場 概要

・建物寸法:全長56m、全幅56m、室内高(最高部)12.3m
・延床面積:3136平方メートル
・氷盤面積:1960平方メートル
・試験旋回半径:10m~22m
・構造:鉄骨造平屋建て

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