リーアム・ニーソンが主演し、ハリウッドのスタント アクションチームが集結したというアクション映画「ブラックライト」。その見どころを、映画評論家の永田よしのり氏に語ってもらおう。(Ⓒ2021 BL Productions LLC:Allplay Legend Corporation)

ダッジ車はカーアクションには欠かせない!?

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さて、米国のカーアクション映画となればすぐに思い出す車種が、ダッジ チャージャーとダッジ チャレンジャー。チャージャーはクライスラー社が1970年代から発売しているクルマで、その無骨にして現代のエコ化に向けた社会事情とは反目するかのような大排気量(なにしろ初代には7.2LのV8を搭載している車種もあった)のクルマは、いかにもド派手に展開する米国カーアクション向きだ。今作品でも、齢70歳を迎えようという主人公・トラヴィスの愛車は2008年から販売されている3代目ダッジ チャレンジャー。劇中でも、冒頭からエンジン全開で事件現場に向かっている。

車体に傷がつくことなどを気にしていたらカーチェイスなどできるわけもなく、ある程度のパワーも必要ということで米国カーアクション映画にはたびたび登場することになるダッジ車。ちょっと思い出すだけでもチャレンジャーは「バニシング・ポイント」など。チャージャーは「ワイルド・スピード」シリーズ、「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」「デス・プルーフ in グラインドハウス」「ドライブ・アングリー」「ブリット」などで活躍。まさに米国民に愛され親しまれている車種のひとつと言えるだろう。

現場での実用的な車種を使用しているトラヴィスに対して、FBI長官のガブリエルが使用しているのはキャデラック エスカレード。いかにものラグジュアリーSUVは、権力を象徴するために官僚などが高級車に乗る感覚で使用しているだろう。他にも、故意の事故で殺害されるミラの同僚記者が乗っているのが赤いポルシェ 944。1991年には製造終了しているので、こちらは思うに中古車を探して乗っていたのだろうか。このあたりも、クルマと選ぶ人間の関係性がかいま見えてきて面白い。

映画は前半でのトラヴィスの現場行動描写から、トラヴィスの家族関係問題、権力社会の裏構造を暴くサスペンス仕立てへと移行していく。カーアクション、銃撃戦、暗殺、誘拐に家族問題と、100分ほどの上映時間の中でいくつものテーマが描かれている。特に「アンリアルエンジン」と呼ばれる最新技術を用いた迫力ある撮影は、実はオーストラリアのメルボルンが撮影分野において革新的撮影技術の最前線であることも教えてくれた1本だ。(文:映画評論家 永田よしのり)

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ブラックライト(原題:BLACK LIGHT)

監督:マーク・ウィリアムズ
出演:リーアム・ニーソン、エイダン・クイン、エミー・レイヴァー・ランプマン、ほか
上映時間:104分
3月3日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:クロックワークス
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