毎年恒例、JAIA(日本自動車輸入組合)の合同試乗会。今回、鈴木ケンイチ レポーターはPHEV(プラグインハイブリッド車)に絞って、その違いを味わうべく乗り比べてみた、まずは前編として、ステランティス グループの2台をレポートする。

グランドチェロキーは、モーターが生み出す余裕で滑らかな走り

画像: 2022年秋に同時に日本デビューを果たしたガソリンターボ車と外寸などは変わらない。

2022年秋に同時に日本デビューを果たしたガソリンターボ車と外寸などは変わらない。

続いては、プジョーと同じステランティス グループからジープのグランドチェロキー サミットリザーブ 4xeだ。グランドチェロキーは2021年に10年ぶりとなるフルモデルチェンジが行われ、日本には2022年2月に3列シートのロングボディを持つ「グランドチェロキーL」から導入が開始された。2列シートのショートボディは2022年10月から発売され、そのタイミングでエンジン車に加えてPHEV版も導入された。

このグランドチェロキーのユニークな点は、エンジン車もPHEV車も、同じエンジンと4WDシステムを使っているところにある。2Lの直4 ガソリンターボ エンジンを縦置きしたFRレイアウトに、トランスファーを使う4WDシステムは共通だ。そのシステムに、エンジン側に最高出力46kW(63ps)、8速AT側に最高出力107kW(145ps)を発生する2つのモーターを設置。これにクラッチを使って、EV走行、ハイブリッド走行を切り替える。搭載する二次電池は14.87kWhで、EV航続距離は53kmとなる。

まず乗り込んで感じたのは、レザーとウッドに囲まれたインテリアの高級感だった。それも欧州車とは違った、温かみのある高級感だ。これもアメリカ車の大きな魅力だろう。ハイブリッドでの走りは、どちらかといえばエンジンが主体となっている。ただし、エンジンとモーターの使い分けは非常に滑らかで、しかも静粛性に優れている。

車両重量は2.2トンを超える巨躯であるけれど、意外なほどパワー不足は感じない。そもそもエンジン車は、同じ性能のエンジンだけで十分に走ってくれた。PHEVは、そこにモーターが加えられているのだから、余裕があるのは間違いない。ただし、エレクトリックモードは滑らかで静かではあるが、アクセルを深く踏み込むと、すぐにエンジンがかかってしまいがちだったのは、試乗時のバッテリー残量の少なさなどが影響したのだろう。

それでも、全体に高級車にふさわしい余裕と静粛性、滑らかさがある。電動車というよりも、高級車らしい上質な走りが印象的であった。<後編に続く>(文:鈴木ケンイチ/写真:Webモーターマガジン編集部)

画像: ハイブリッドではあるが、わりとエンジンが主体となる走りも見せる。

ハイブリッドではあるが、わりとエンジンが主体となる走りも見せる。

ジープ グランドチェロキー サミットリザーブ 4xe 主要諸元

●全長×全幅×全高:4910×1980×1810mm
●ホイールベース:2965mm
●車両重量:2250kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1995cc
●最高出力:200kW(272ps)/5250rpm
●最大トルク:400Nm/3000rpm
●モーター最高出力:46kW(63ps)+107kW(145ps)
●モーター最大トルク:54Nm+255Nm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・71.9L
●駆動用バッテリ−:14.87kWh
●EV走行換算距離(等価EVレンジ):53km
●WLTCモード燃費:10.4km/L
●タイヤサイズ:265/60R18
●車両価格(税込):1227万円

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