セダンで「食べる」、「寝る」、「遊ぶ」仕掛けが約30も
「ブリコラージュ」から生まれた「コンテンポラリー ライフスタイル ビークル」。今回、日産が公開したプロトタイプのことだが、「ブリコラージュ」が聞きなれない言葉だ。対象の観察と創意工夫の連続で、思った以上のものを生み出す考え方のことだ。つまり、「コンテンポラリー ライフスタイル ビークル」は、通常の目標を決めてから製作をはじめるアプローチとは異なった手法で生まれたプロトタイプということになる。
「コンテンポラリー ライフスタイル ビークル」のベースは「スカイライン」だ。セダンとしての機能やスタイリッシュなデザインを損なうことなく、現代のライフスタイルに合った形で「食べる」、「寝る」、「遊ぶ」を満足させるために、試行錯誤を重ねて生み出したAIと融合した約30の仕掛けが特徴となる。
具体的には、「サイドミラーゴミ箱」やサイドシルに設けられた「長傘収納」、「脱着式ディスプレイ」、「バンパー下収納」、「アウトドア用フック」、「屋外シアタープロジェクター」、車内生活での数々の助言をしくれる「AIアシスタント:SORA」などなど、柔軟な発想のアイテム達だ。
製作に携わった上田 哲郎(モビリティ&AI研究所 エキスパートリーダー)氏は、
「人々の生活を豊かにするイノベーションは、電動化や知能化をはじめとするこれまでになかった高度な技術だけに留まりません。このようなイノベーションの実現にブリコラージュの概念をもとにしたプロセスはとても適しています。「くうねるあそぶ」は、30年以上前に発売した『セフィーロ』のキャッチコピーでした。あの頃描いた、セダンで「食べる」、「寝る」、「遊ぶ」の夢は今も続いています。この『コンテンポラリー ライフスタイル ビークル』は、その現代解釈版です」
と語っている。