「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スズキ アルト エコだ。

低中速トルク指向のエンジンは街中で扱いやすい

画像: 低速域でのフロア振動もおさえられており、ハンドリングもスッキリしている。乗り心地も悪くない。

低速域でのフロア振動もおさえられており、ハンドリングもスッキリしている。乗り心地も悪くない。

乗り出してみると、最高出力52psと最大トルク6.4kgmを発生するエンジンは低中速トルク指向だ。そのため、ストップ&ゴーや中間加速の多い街乗りでは、けっこう力強さも感じさせてくれる。低速域のフロア振動なども抑えられており、ハンドリングもすっきりしている。

乗り心地も悪くない。しかも、その走りっぷりは燃費スペシャルといったものではなく、誰にでも勧められるベーシックカーそのものといった感じだ。アイドリングストップ機構はクルマが停止する前、車速が9km/h以下になると作動する。

今回は燃費テストも行ってみた。新橋のモーターマガジン社から首都高速〜アクアライン〜海ほたるPAの約34kmを走る高速モードでは、平均燃費計は30.5km/Lを記録。また、モーターマガジン社を起点に20kmほど都内の一般道を周回走行する市街地モードでは、アイドリングストップ機能が効いて、24.5km/Lを記録した。もっとも、燃費テストは同じドライバーが乗っても天気や混雑状況などで数値は簡単に変わってしまうから、あくまで参考データとして見て欲しい。とはいえ、電気デバイスなしに高速で30km/L以上、市街地で25km/L近く走るのだから、たいしたものだ。

コストを考えれば、軽自動車にハイブリッドなどを採用するわけにはいかず、従来からある内燃機関をとことん突き詰めて最適化し、アイドリングストップ機能も進化させ、「ハイブリッド車の半分の価格で、ハイブリッド車並みの燃費」を達成する。このアルト エコやミラ イースに追いつき、追い越せと、他の軽自動車メーカーも低燃費競争に参戦してくることは間違いない。

画像: 円形基調デザインのインパネやオーソドックスなフロアシフトのAT(CVT)レバーなども従来型アルトと変わらない

円形基調デザインのインパネやオーソドックスなフロアシフトのAT(CVT)レバーなども従来型アルトと変わらない

スズキ アルト エコ-S 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1520mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:740kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:38kW(52ps)/6000rpm
●最大トルク:63Nm(6.4kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・20L
●JC08モード燃費:30.2km/L
●タイヤサイズ:145/80R13
●当時の車両価格(税込):99万5000円

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