セーフティカーの発動が呼んだ、それぞれの「最良」と「最悪」
金曜日の予選でポールポジションを獲得したルクレールはスタートでこそ首位をキープしたが、3周目にDRSが使用可能になると前日のスプリント同様にレッドブルの敵にはなり得ず、レースはフェルスタッペンとペレスのマッチレースとなる。
よりペースが速かったのは土曜日のスプリントを制して勢いに乗るペレスで、ひと足先にルクレールをかわしてトップに立っていた首位フェルスタッペンに追いつき、DRS圏内に迫った。
一方、最初の3周でフェラーリを追うためにミディアムタイヤを使いすぎていたフェルスタッペンは10周目に早くもピットへと向かう。
そしてここでこのレース最大のポイントが訪れる。フェルスタッペンがハードを履いてピットアウトした直後、コースアウトしていた他車を排除するためにセーフティカーが発動したのだ。
このタイミングはフェルスタッペンには最悪で、ペレス以下の上位陣が翌周にほとんどタイムロスすることなくハードへの履き替えを済ませたのに対し、自身は再びルクレールに抜かれて3番手に後退してしまう。
王者フェルスタッペンを完封、ペレスが2日連続の勝利
レースが再開された14周目、フェルスタッペンはルクレールをあっさりとかわしたものの、すでにその時ペレスはDRS圏外に逃げていた。そこから2台のレッドブルは文字通りのマッチレースを繰り広げるが、両者のペースはほとんど同一でフェルスタッペンはなかなかペレスに迫れず、結局そのままの順位でフィニッシュとなった。
前日のスプリントに続き2連勝となったペレスは「今回はセーフティカーのタイミングがこっちに有利に働いた。2台のペースはほぼ互角だったから、なんとか差をキープしようと最初から最後までハードに攻めたよ」と安堵の表情。
一方のフェルスタッペンは「セーフティカーは不運だったけど、そのほかにもタイヤをオーバーヒートさせたり、クルマのバランスがいまいちだったりとかあった。今回もいろいろなことを学んだから次に活かしたい」と悔しさを滲ませた。
これでペレスとフェルスタッペンは2勝ずつ、ドライバーズポイントはわずか6点差となり、チャンピオン争いは緊張したものになってきた。
次戦第5戦アゼルバイジャンGPは連戦となり、5月5日金曜日、フロリダ州マイアミガーデンズのマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開幕、5月7日に決勝が行われる。(文:新村いつき)