電気自動車(BEV)DS3クロスバック Eテンスを1年ほど長期レポートしてきたが、そのなかで気になったのは、電動車の個性はどこにあるのかということ。ここからは少し嗜好を変えていくつかのモデルをレポートしていきたい。今回はジープのコンパクトSUVでPHEVのレネゲード4xeだ。(第1回/Motor Magazine 2023年5月号より)

外観からは想像できなかった個性。実はプレミアムなコンパクトSUV

さて、走り出すために乗り込んでドアを閉めると、その瞬間からジープらしい音が響く。近年登場した多くの乗用車はドアを閉めた時に「ボフッ」と重厚感を演出するよう研究されているが、レネゲードのそれはドアラッチとストライカーがぶつかり噛み合う「ガチッ」という金属的な高い音を発する。これはあえて強調されているようにも感じる。最新のPHEVなのに昔ながらのクルマらしさも味わうことができ、少し嬉しくなる。

しかし、そうしたノスタルジーが体感できるのはほんの一瞬で、バッテリー充電量を残していればシステムスタートボタンを押してから走り出してもエンジンは稼働せず、遠くの方からモーター音と車両接近通報システムの音がかすかに届く程度。もちろんアクセルペダルを深く踏み込めばエンジンを始動させて回転音も聞こえてくるが、その音質は低音で振動も少なく上質さを感じる。

画像: 試乗車「アップランド」はサステナビリティをテーマとした限定車で、ボディカラーは澄んだ水面をイメージさせる。

試乗車「アップランド」はサステナビリティをテーマとした限定車で、ボディカラーは澄んだ水面をイメージさせる。

気になったことはモーターパワーの初動、立ち上がり方が少し強めに設定されているのか、停車状態からブレーキペダルをリリースした瞬間に背中をグイッと押される感覚になる。乗りはじめた当初、交差点での一時停止や車庫入れなどでストップ&ゴーをするときは気を遣ったが、ペダル操作をゆっくり行うだけで解決するので、慣れるまで長い時間はかからなかった。

パワートレーンにおいて気になったのはこの点くらいなもので、1790㎏という同クラスのSUVとしては重めのボディを街中でも高速道路での合流でも軽々と加速させてくれるパワー感は頼もしいばかり。しかも、トランスミッションはICE搭載モデルの6速DCTとは異なって、6速ATに変更されているためシフトショックはより小さく、エンジンとモーターの切り替えもメーターを見ていないと気づかないほど振動が抑えられている。

高速道路を巡航しているともうひとつの面も見えてくる。これは意外にも思えたところなのだが、ラングラーを彷彿とさせるボクシーなボディ形状から想像できないほど風切り音が小さく、ロードノイズの小ささも含めてコンパクトSUVとは思えない静粛性の高さが感じられるPHEVなのである。

第1回/2023年2月9日〜3月10日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:9188km
・当月の走行距離:2388km
・給油量:約144.6L(プレミアムガソリン)
・燃費:16.5km/L
・充電回数:6回(200V普通充電)

ジープ レネゲード アップランド 4xe 主要諸元

●全長×全幅×全高:4255×1805×1695mm
●ホイールベース:2570mm
●車両重量:1790kg
●エンジン:直4 ターボ+2モーター
●総排気量:1331cc
●エンジン最高出力:96kW(131ps)/5500rpm
●エンジン最大トルク:270Nm/1850rpm
●モーター最高出力:前33kW(45ps)/後94kW(128ps)
●モーター最大トルク:前53Nm/後250Nm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:電気式4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・36L
●WLTCモード燃費:16.0km/L
●タイヤサイズ:235/55R17
●車両価格(税込):568万円(発売時)

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