ホイールベース延長分が3列目シート用+αのスペースに
「タイプ1」(通称:ビートル)に続くフォルクスワーゲン第2のモデルとして1950年代に登場した「タイプ2」(通称:ワーゲンバス)は、1960年代後半の若者文化の象徴的な存在となるほどの人気を博し、とくにアメリカでは今もカルト的な人気となっていて、カリフォルニアやフロリダなどのビーチの駐車場では今でもよく見かけるほど愛されている。
2022年3月に電動ミニバンとして登場した「ID. Buzz」はこのタイプ2を彷彿とさせるシルエットとV字のモチーフを配したフロントマスクでデビュー。そのなんとも愛らしいスタイリングで世界中で大人気となっているが(日本導入は2024年?)、今回、「ID. Buzz」のロングバージョンの発表の場所にカリフォルニアが選ばれたのもよく理解できる。
ID. Buzzのロングバージョンのホイールベースは3238mmと通常モデルより250mm長く、全長も250mm長い4962mm。つまりホイールベース延長分がそのまま全長の拡大となっているわけで、これにより3列目シート用のスペースが生まれ、最大2469Lの収納スペースが得られている。
リアアクスルに電気モーターを備えるRWDの電気自動車というメリットを生かして、3列シートの7人乗りのほか、6人乗り、2列シートの5人乗りといったさまざまな仕様が設定されるようだ。
モーターは、新たに210kW(286ps)の大出力版も用意。このモーターは最高速を145km/h から160km/h(リミッター作動)に向上させ、0→100km/h加速7.9秒を実現する。
最新仕様の大容量バッテリーなど、新たな装備も採用
またバッテリーも最新仕様のものに変更。蓄電容量を85kWhを拡大して航続距離を伸ばすとともに、新しいヒートポンプにより冬場の効率を向上させている。
新たな装備として注目されるのは、新設計のハイテクパノラマサンルーフ。これはディスプレイでの操作や音声アシスタントを使用して、透明から不透明、またはその逆に変更できるスマートガラスを使ったもので、そのガラス面積はフォルクスワーゲン史上最大という。
ID. Buzz ロングホイールベース仕様は、ドイツ・ハノーバーにあるフォルクスワーゲン商用車の本社工場で生産され、2024年より欧州、北米市場から販売が開始される。
なお、ID. Buzz ロングホイールベースの発表と同時に、2024年には出力250kW(339ps)の4輪駆動バージョン「ID. BuzzGTX」が登場することも明らかになった。
フォルクスワーゲン ID. Buzz ロングホイールベース仕様 主要諸元
●全長×全幅×全高:4962×1985×1937mm
●ホイールベース:3238mm
●モーター最高出力:210kW(286ps)
●バッテリー電気自動車総電力量:85kWh
●最高速:160km/h(リミッター作動)
●0→100km/h加速:7.9秒
●駆動方式:RWD