マセラティ バードケージ 75thの進化形
「コンコルソ デレガンツァ ヴィラデステ」は、長い歴史を持つ世界最高峰の自動車コンクール デレガンスだ。このコンセプトカー部門にケン オクヤマの「コード61 バードケージ」がノミネートされた。これは、日本のカロッツェリアとしては初めてのこととなる。
ケン オクヤマ カーズは、2007年からオリジナルのハンドメイド スポーツカーの開発を行っており、日本で唯一、公道用スポーツカーのみを少量生産・販売し続けるカロッツェリアだ。
コード61 バードケージ(以下、コード61)は、ケン オクヤマの代表である奥山清行氏がピニンファリーナに在籍時に、マセラティとのコラボレーションの元に手がけた「バードケージ 75th(2005年)」の進化形と言える、スポーツマインドと未来的なテイストを盛り込んだ提案だ。バードケージ 75thは、1959年のル・マンに参戦した「ティーポ61」をオマージュしてデザインされたバルケッタ スタイルだった。
ケン オクヤマの特徴でもあるツインコクピットを継承
コード61は、ティーポ61の基本コンセプトに立ち返り、トランスアクスル式FRを採用している。バードケージ(鳥かご)の由来である繊細なスチールパイプフレームを基本構造とデザインテーマとして活かし、最先端のCFRPボディパネルを組み合わせ、現代のスペックに合わせた高剛性と軽量化を実現している。
キャビンは、これまでのケン オクヤマ モデルの特徴でもある、ドライバーとパッセンジャーが独立したレイアウトのツインコクピットをさらに進化させたものだ。左右対称に分割されたダッシュボードと独立した格納式ウインドシールドが、スポーティで機能的なソリューションとなっている。
左右のシートをベルトラインと同じ高さで二分するセンターパネルも、コード61の大きな特徴だ。センターパネル内部に強固なフレームを組み込んだスパイン(脊椎)構造はコード61の象徴的なテーマでもあり、ボディ剛性の強化にも大きく貢献している。
コード61のベース車両や詳細なスペックは現段階では公表されていないが、ケン オクヤマ カーズの山形ファクトリーでハンドメイドされ、限定数が顧客へと販売される予定だ。興味のある人は、ケン オクヤマのWebサイトを覗いてみて欲しい