1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ポルシェ 911GT1だ。

ポルシェ 911GT1(PORSCHE 911GT1:1996-1998)

画像: キャビンやフロントセクションの一部に当時の911(タイプ993)のパーツを使用。ルーフ上にはエンジンルームへ繋がるエアインテークも備わる。

キャビンやフロントセクションの一部に当時の911(タイプ993)のパーツを使用。ルーフ上にはエンジンルームへ繋がるエアインテークも備わる。

1995年のル・マン24時間レースはマクラーレン F1が総合優勝を飾り、他のGTレースでも圧倒的な強さを見せつけた。耐久レースの王者たるポルシェとしては、この光景を黙って見ているわけにはいかなかった。そこで911をベースに「打倒マクラーレン F1」を目標に、1996年に生まれたのが911GT1だった。

当時のポルシェ 911(タイプ993)のキャビンやフロントセクションの一部を使い、リアにはスペースフレームを設けてエンジン搭載方式はRRからミッドシップに変更。したがって乗車定員は2名となる。ミッドシップ搭載されたエンジンは3164ccの水平対向6気筒だが、空冷ではなく水冷となり、ヘッドは4バルブDOHC化され、ツインターボを装着。レース仕様の公称最高出力は600ps以上といわれている。

スタイリングも、キャビンや顔つきにこそ911の面影を残しているが、ロングテール化されて巨大なウイングが装着されたリアまわりはレーシングマシンそのものだ。911GT1は1997~1998年と進化を続け、とくに1998年仕様は911がベースとは思えないほどのスタイルとなった。

当時、GT1の規定で公道仕様を25台生産する必要があり、911GT1にはストリートバージョンが存在する。レース仕様とスタイリングは共通だが、エンジンは当時のヨーロッパの排出ガス規制をクリアするためにデチューンされていた。だが、それでも最高出力は544ps、最大トルクは600Nmを発生し、0→100km/h加速は3.7秒、最高速は310km/hをマークした。

なお、レーシングバージョンの911GT1は、デビュー戦となった1996年のル・マン24時間で総合2-3位を獲得した。1997年は序盤は快調だったものの2台ともリタイア、そして1998年にようやく悲願の優勝を1-2フィニッシュで飾った。1998年に規定が変更されたため、レース活動は終了するが、前述のようにストリートバージョンはきわめて希少なモデルだ。

画像: ル・マン24時間で優勝した1998年仕様のGT1では、ストリートバージョンとはスタイリングも大きく異なっていた。

ル・マン24時間で優勝した1998年仕様のGT1では、ストリートバージョンとはスタイリングも大きく異なっていた。

ポルシェ 911GT1 ストリートバージョン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4710×1950×1170mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1075kg
●エンジン種類:水平対向6 DOHCツインターボ
●総排気量:3164cc
●最高出力:544ps/7000rpm
●最大トルク:61.2kgm/4250rpm
●燃料:無鉛プレミアム
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前295/35ZR18、後335/30ZR18

画像: amzn.to
amzn.to

This article is a sponsored article by
''.