1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、GR スーパースポーツ コンセプトだ。

GR スーパースポーツ コンセプト(GR SUPERSPORTS CONCEPT:2018)

画像: パワートレーンと、330/710R18というタイヤサイズ(ホイール幅は13J)という数値以外のスペックは発表されなかった。

パワートレーンと、330/710R18というタイヤサイズ(ホイール幅は13J)という数値以外のスペックは発表されなかった。

2018年1月に開催された東京オートサロンで初公開された「GR スーパースポーツ コンセプト」。WECに参戦しているレーシングマシン「TS050 HYBRID」とほぼ同じ主要パーツで構成されたコンセプトカーだ。プレスカンファレンスで、GAZOOレーシングカンパニー プレジデントの友山茂樹氏(当時)は次のように語った。

「トヨタが年初に米国のCESで発表した『eパレット コンセプト』が次代の幌馬車なら、この『GR スーパースポーツコンセプト』は、次世代の競走馬です。ただし、この2台はどちらも電動車で、恐らくは最先端のIT技術を駆使した、安全で、環境に優しい、コネクティッドカーになるであろう、と言えます。この先、クルマの電動化やIT化が加速しても、この両極のモデルの中間も含め、いろいろな形があり、クルマはけっしてコモディティ化しない、と思います」

“コンセプト”と銘打ってはいたものの、このクルマは市販を前提に開発が進められていた。その背景にあるのは、ル・マン24時間耐久/WEC世界耐久選手権の新レギュレーション「ハイパーカー」の導入だ。

トップカテゴリーである「LMP1」規程に代わるこの新レギュレーションは、パワーユニットのシステム最高出力は500kW(680ps)、車両重量は1030kg以上で、ハイブリッドシステムも搭載可能。その場合、電気モーターの出力は200kW以下で、前輪のみを駆動。後輪はエンジンで駆動する。つまり4WDとなる。電気モーターの使用条件は現行WECの規定同様、厳しくコントロールされる。エンジンのみの場合は2WDとなることから、ハイブリッドシステムを搭載するモデルが多くなっている。

さらに2年間に20台以上の生産という規定をクリアしてホモロゲーションを取得すれば、市販車両をレース仕様に仕立てても、新たにレーシングカーとして製作しても、参戦することが可能になる。トヨタはこの新規定に則り、2.4LのV6エンジンにツインターボを装着し、トヨタ ハイブリッドシステム レーシング(THSーR)を搭載したホモロゲーションモデルを市販化し、この車両で参戦することを表明していた。ちなみにパワーユニットのシステム最高出力は1000psを目指した。

富士スピードウェイでの走行テストなども行われて開発が進められたが、レーシングカーを市販化するにはさまざまな問題があり、またコロナ禍などの影響もあって、残念ながら開発は中止された。

画像: レーシングカーがベースなだけに後方視界はコクピット内のモニターで確認するようだ。直接目視は不可能そうだった。

レーシングカーがベースなだけに後方視界はコクピット内のモニターで確認するようだ。直接目視は不可能そうだった。

画像: amzn.to
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