ホームGPのフェラーリを粉砕、フェルスタッペンが新連勝記録
サーキット開設101年目の記念日にモンツァに集ったティフォシたちの願いも虚しく、今季負けなしのレッドブルがフェラーリを完全攻略した。
スタートはポールシッターのサインツを先頭に、フェルスタッペン、フェラーリのシャルル・ルクレールが予選グリッド通りに第1シケインを通過する無難な展開だったが、DRSが解禁されるやフェルスタッペンが猛チャージを開始。サインツは一度はフェルスタッペンの仕掛けをしのいだが、15周目の第1シケインでブレーキをロックさせてターン3の出口で並ばれ、続く第2シケインでかわされてしまう。
一旦首位に立ったフェルスタッペンは、フェラーリのタイヤがすでに消耗しつつあったこともあってあっさりと差を広げ、安全圏内へと入っていった。
全車がタイヤ交換を終えた22周目からは、今度がペレスが2台のフェラーリに迫り、32周目にまずはルクレールをパス。その後激しい攻防を演じたサインツを46周目にかわしたペレスは、フェルスタッペン同様にフェラーリ勢との差を広げ、レッドブルの1-2体制を盤石のものとした。
首位に立って以降はまったく危なげなかったフェルスタッペンは、そのまま今季12勝目のチェッカーへ。これで10連勝でF1の記録を塗り替えることとなり、フィニッシュ後は「(10連勝なんて)信じられない。ペースもよかったし、タイヤもよかった。フェラーリは速くて、近づくのは簡単じゃなかったけど、ターン1で白いスモークを上げてブレーキロックしたのを見て、チャンスだと思った」と会心のレースを笑顔で振り返った。
レース最終盤は、2台のフェラーリによる表彰台争いがヒートアップ。ルクレールが接触ギリギリまで攻め立てるも、サインツが逃げ切って今季初表彰台を獲得している。
予選11番手の角田裕毅(アルファタウリ)はフォーメーションラップ中にエンジントラブルが発生してスタートできず、デビュー2戦めのリアム・ローソン(アルファタウリ)は予選12位、決勝11位で惜しくもポイント獲得ならなかった。
次戦第16戦シンガポールGPは9月15日、マリーナベイ・ストリート・サーキットで開幕、9月17日にナイトレースとし開催される。(文:新村いつき)