2023年9月6日、WEC(FIA世界耐久選手権)第6戦「富士6時間」に向けてWECプジョーチームが来日、94号車プジョー 9X8のドライバーであるロイック・デュバルとストフェル・バンドーンがインタビューに応え、富士6時間への抱負を語った。

2023年はチャンス、トヨタに勝ちたいと思っています

──いよいよWEC第6戦富士6時間レースが始まります。まず今回のレースへの抱負をお願いできますか。

デュバル 予想していたよりも暑いですね。日本に長く住んで、日本のレースに参戦してきましたので、日本は第2の故郷と言える場所だと思っています。プジョーで、また日本に戻ってくることができてうれしく思っています。日本のファンはいつも熱狂的に、暖かく迎えてくれます。とくに今回のレースには世界の強豪が集結するので、非常にエキサイティングで素晴らしいレースになるでしょう。優勝のチャンスがあるので、それを目指して戦います。

──バンドーン選手は、負傷したニコ・ミューラーさんの代役として急遽参戦することになりましが。

バンドーン 日本では2016年にスーパーフォーミュラに参戦しており、ニコの負傷は残念ですが、こうしてWECプジョーのドライバーとして日本に帰ってこれてうれしく思っています。9X8にレースで乗るのははじめてですが、サーキットで乗り込んでいるのでまったく問題ありません。富士スピードウェイのコースはよく知っていますし、チャレンジングなレースになると思います。ニコのためにも頑張ります。

画像: レース直前、インタビューに応えてくれたストフェル・バンドーン(左)とロイック・デュバル。日本でもおなじみのドライバーだ。

レース直前、インタビューに応えてくれたストフェル・バンドーン(左)とロイック・デュバル。日本でもおなじみのドライバーだ。

──前戦モンツァ6時間で93号車9X8が3位入賞、調子を上げているようですが、マシンの仕上がりはいかがですか。

デュバル 日々改善を繰り返し、マシンはいい状態になってきています。今季開幕戦は厳しいレースとなりましたが、ル・マン24時間あたりから大きく改善し、今回のレースでは優勝争いができると期待しています。トヨタは富士で5連覇している手強い存在ですが、今年はトヨタに勝ちたいと思っています。強敵が揃ってレースレベルはどんどん上がり、おもしろいレースになるでしょう。

──BoP調整が行われ、プジョーは第6戦 富士6時間でモーターアシスト作動速度が150km/hから135km/hに下げられました。また、ここ数戦での速さから、富士での優勝候補の一角にプジョーが挙げられていますが。

デュバル 簡単なことではありませんが、リスクをとって、ミスせず、やるべきことができれば優勝争いに加われると思っています。おもしろいレースになりますよ。

──プジョー9X8といえば、リアウイングレスが話題となりましたが、高速コースといわれる富士スピードウェイでは有利なのでしょうか。

デュバル プジョーのエンジニアはまったく自由な発想で、既成概念にとらわれることなく、エアロダイナミクスを最適化するためにリアウイングのないマシンを設計しました。高速コースでは空気抵抗となるリアウイングがないほうが有利とも言えますし、リアウイングがなくても高いパフォーマンスを発揮するように開発を進めてきました。新しいことをすることで困難もありましたが、課題は解決できつつあります。WECが開催されるサーキットは高速レイアウトが多いのですが、もちろんサーキットにはタイトなコーナーもあり、プジョー9X8が高速コースに向いているとも言切れません。でも富士の最終セクションへの対応もできていますよ。

──最後に日本のファンに向けてメッセージをいただけますか。

バンドーン プジョーでの初めてのレースで、とてもワクワクしています。富士スピードウェイで会いましょう。

デュバル 自分にとっても重要なレース。優勝を目指して、最高のレースにしたいと思っています。今週末はサーキットに足を運んでいただき、ぜひ応援してください。

ロイック・デュバル

1982年6月12日生まれ。国籍フランス。2006年に来日、2009年フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン、2010年スーパーGT GT500チャンピオンに輝くなど大活躍。日本でもなじみが深い。欧州に戻ってからも、DTM、世界耐久選手権、フォーミュラEなどで活躍。2013年にはアウディでル・マン24時間を制覇した。

ストフェル・バンドーン

1992年3月26日生まれ。国籍ベルギー。2015年にGP2チャンピオンに輝いたもののシートに恵まれず、2016年は日本のスーパーフォーミュラに参戦しながらF1マクラーレンのリザーブドライバーを兼任。2016年から2018年まマクラーレン、メルセデスからF1参戦。2018年-2019年シーズンのフォーミュラEのチャンピオンに輝いた。2016年スーパーフォーミュラではダンディライアンから参戦して2勝、ランキング4位。

画像: フロントに200kWのモーターユニット、リアには500kWを発揮する2.6L V6ツインターボエンジンを搭載する、ハイパーカー規定のプジョー9X8。

フロントに200kWのモーターユニット、リアには500kWを発揮する2.6L V6ツインターボエンジンを搭載する、ハイパーカー規定のプジョー9X8。

プジョー 9X8 テクニカルデータ

クラス:ル・マン・ハイパーカー(LMH)
全長:5000mm
全幅:2080m
全高:1180mm
ホイールベース:3045mm
パワートレーン:プジョー ハイブリッド4
エンジン:90度V6 2.6Lツインターボ(後輪を駆動)
エンジン最高出力:500kW(680hp)
モーター:電動モータージェネレーター(前輪を駆動)
モーター最高出力:200kW
バッテリー:プジョー・スポール、トタルエナジーズ、サフトの共同開発による高密度の900ボルトバッテリー
燃料・潤滑油 :トタルエナジー

This article is a sponsored article by
''.