ランボルギーニがBEVコンセプト、ランザドールを発表。最高技術責任者であるルーヴェン・モール氏に話を聞いた。(Motor Magazine2023年10月号より)

日常的に楽しめる「アクティビティ」としてのGT

── 発表はもう少し先だと思っていたので驚きました。このランザドールはランボルギーニの中でどんな位置づけになるのですか?

ルーヴェン・モール(以下、ルーヴェン) 現在ハイブリッド化を進めている最中ですが、今回の発表は非常に大事なステップになります。ランザドールは、スーパースポーツカーよりは日常使いできるアクティビティ寄りのモデルと考えています。

現時点ではスーパースポーツカーは内燃機と電動部品を組み合わせたハイブリッドがベストと考えていますので、フル電動化の第一弾はスーパースポーツカーではなくGTになりました。

── 新たなGTとなると、350GTや400GT、イスレロ、ハラマ、エスパーダに継ぐモデルということでしょうか?

ルーヴェン そうです。そもそもランボルギーニはGTから始まったブランドです。しかし、ランザドールはスーパースポーツカーのデザイン言語で解釈したモデルになるので、これまでのGTとは少し異なります。

ランボルギーニは常に先を見て新しいものを作っていくので、過去を振り返って方向づけることはしません。

画像: 宇宙船をコンセプトにした未来的なコクピット。立体的なセンターコンソールを隔てて助手席にもディスプレイを搭載。

宇宙船をコンセプトにした未来的なコクピット。立体的なセンターコンソールを隔てて助手席にもディスプレイを搭載。

電動化モデルでも、ランボルギーニのデザイン哲学は変わりません

── それでは、電動化によってデザインに変化は出てきますか?

ルーヴェン 実は社内でもかなり議論したのですが、ランボルギーニのデザイン哲学を変えたつもりはありません。もちろん、エアロダイナミクスの考慮など電動化による影響は出てくると思いますが、デザインでとにかく大切なのは、美しいこと、魅力的であること、そしてたまたまそれが電動化モデルだということだけです。

ですから、実車を見てもらえれば、ランボルギーニのDNAを感じることができますし、1000%ランボルギーニのクルマだとわかっていただけると思います。

── たしかにそう思います。では電動化においてデザイン、エアロダイナミクス、パフォーマンスのバランスはどう考えていますか。

ルーヴェン 私たちにとって一番大切なのは、ランボルギーニのクルマに乗ると、すごく楽しい、すごくスリリングだというドライビングエクスペリエンスです。そこで狙ったのは、その感覚をそのままBEVに移植することでした。

パフォーマンスも大事だけれど、それだけではない。それが実現して初めて、それぞれのバランスが重要になってきます。そしてそのバランスが取れて初めてランボルギーニのクルマになると私たちは考えています。

今回はコンセプトカーとしての発表なのでまだまだ先は長いのですが、これまでの成果は出ていると自負しています。

画像: 2+2のシートレイアウト。室内にはサスティナブルレザーやメリノウール、再生プラスチックなどのサスティナブル素材を使う。

2+2のシートレイアウト。室内にはサスティナブルレザーやメリノウール、再生プラスチックなどのサスティナブル素材を使う。

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