2023年9月28日〜10月1日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第11戦「ラリー・チリ・ビオビオ」がチリ中部の都市コンセプシオンを起点に開催され、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが優勝、2位にヒョンデのティエリー・ヌーヴィル、3位にはトヨタのエルフィン・エバンスが入った。トヨタはカッレ・ロバンペラも4位に入ったことでマニュファクチャラーズ選手権3連覇を決めている。勝田貴元(トヨタ)は5位。
タイヤ選択もズバリ、タナックが完勝
2019年以来の復活開催となったラリー・チリで、今シーズンは早々にトラブルに見舞われることが多く、ここまで不本意なラリーが続いてきたタナックがようやく本領を発揮した。
グラベルラリー特有のスタート順のハンデでランキング上位勢が苦しむ中、タナックは金曜日のSS1でベストタイムをマーク、一旦はトヨタのエバンスやヒョンデのテーム・スニネンに首位を奪われるものの、ソフトタイヤ主体のタイヤ選択が奏功してSS5のベストタイム奪取で逆転、続くSS6での連続ベストで首位を固めた。
翌土曜日の午前のステージは一転してハード寄りのタイヤを選択、これも後半ふたつのステージで見事に決まって、ここで大量リードを築き上げることに成功した。
今年散々悩まされてきたプーマの信頼性も今回は不安なく、その後も持ち前の冷静なドライビングをキープしたタナックは、大量リードを築いたままフィニッシュし、第2戦スウェーデンに続くシーズン2勝目を挙げた。