これはもはや「セブン」としか思えない。2023年10月24日（水）、東京お台場のビッグサイトにおいて「ジャパンモビリティショー2023」がプレスデーを迎えた。どのブランドも電動化全盛状態なカンファレンスの中にあって、ちょっとだけ異色の「ときめき」を味わわせてくれたのが、マツダブースの主役「MAZDA ICONIC SP」だった。
次世代スポーツとしての進化を象徴する新しい赤
コンセプトカーながら、インテリアもしっかり造作が整えられていた。完成度はかなり市販イメージに近しいようにも思える。
外板色は、コンセプトモデル用に新たに調合された「赤」だ。「VIORA RED（ヴィオラレッド）」と名付けられたこの新色は、「赤を大切にしたい」というマツダの想いをもとに、「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」マツダの企業理念を重ね合わせて創ったコンセプトカラーだという。
この新色は、従来の「ソウルレッドクリスタルメタリック」に比べると、より鮮やかな発色を追求しているのが特徴だ。造形を際立たせる陰影感にこだわって開発されたということだが、実車を眺めているとクルマが持つ存在感がよりダイレクトに伝わってくるように思える。
スポーツカーでありながら外部給電機能を備えているところも面白い。アウトドアレジャーで活用するだけでなく、災害時などの非常電源としての利用も想定している。
さまざまな意味でマツダらしいこだわりが詰まった新時代のコンパクトスポーツは、コンセプトモデルの状態でもリアリティを強く感じさせるものだった。何と言っても、人の手によって造形が磨かれたというデザインは、デジタルデザインとはまた違ったしなやかな美しさが好ましい。
どうやらまたひとつ「だれもがしあわせになる」スポーツカーが、マツダから生まれようとしていようだ。もちろん市販時期などは明らかにされていないけれど、100年に一度という激変の時代を迎えてなお「移動体験の感動を量産し続けたい」というマツダの本気に、本気で期待している。
