2023年10月29日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催され,
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がスーパーフォーミュラ初優勝を達成した。リアム・ローソン(TEAM MUGEN) が2位、そして3位に入った宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が2023年シーズンのチャンピオンを決めた。(文:河村大志/写真提供:日本レースプロモーション)
ローソンが意地のポールポジション獲得!予選での一番時計は今季初
前日に行われた第8戦でクラッシュを喫した笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)と大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)は共に第9戦を欠場。全20台が最終戦の予選に挑んだ。
予選Q1のA組には、野尻智紀(TEAM MUGEN)を含めた10台が出走。前日の好調そのままに野尻がトップでQ2進出、初のポディウムを獲得した太田が2位、そして3位には今季未だポイントを獲得できていない松下信治(B-Max Racing Team)が食い込んだ。
その他、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、国本雄資(Kids com Team KCMG)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)がQ2進出を決めている。
予選Q1のB組にはランキングトップの宮田と、ランキング3位のローソンらが出走。宮田が順当にトップタイムを出すも、後がないローソンがタイムを更新しトップ通過を決めた。
以下、坪井翔P.MU/CERUMO・INGING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、関口雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がQ2進出となった。
今年最後の予選となるQ2は、セッション残り6分で各車コースイン。タイヤの熱入れを行い、1周にかける。
宮田に6.5ポイント差まで詰めた野尻はさらにその差を詰めるべくトップタイムをマーク。しかし、直後にチームメイトのローソンが野尻を上回った。好調の太田が好タイムを出すもトップには届かず2位。ローソンのスーパーフォーミュラ初ポールが決定した。
ランキングトップの宮田は予選4番手に終わり、ローソンはトップの宮田にポイント差を12に縮めることに成功。望みをつなぐ初ポール獲得となった。
2023年 スーパーフォーミュラ 第9戦 予選結果(Q2)
1. リアム・ローソン(TEAM MUGEN)1’36.442
2. 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’36.613
3. 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’36.704
4. 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)1’36.817
5. 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING) 1’36.977
6. 松下信治(B-Max Racing Team)1’36.988
7. 国本雄資(Kids com Team KCMG)1’37.073
8. 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’37.503
9. 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’37.531
10. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’37.761
11. 福住仁嶺(ThreeBond Racing)1’37.768
12. 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)1’37.834
太田がスーパーフォーミュラ初優勝!宮田が自身初となるチャンピオン獲得
予選終了時のポイントランキングは宮田103.5ポイント、野尻98ポイント、そしてローソン91.5点となっている。3名のポイントが詰まり、緊張感が高まる中、14時30分から31周のレースがスタートした。
第8戦とは打って変わり、偶数グリッドの太田が好スタートを決めトップで1コーナーに突入。ローソンが2位、3位には野尻を抜いた宮田がつけた。
上位勢はほぼ等間隔で周回を重ねていき、ピットウインドオープンの10周目を迎えても動きはない。そんな中、12周目に3番手につける宮田が上位勢で真っ先に動く。
アンダーカットを防ぐべく、2番手のローソンが13周目にピットイン。タイヤの熱入れが終わった宮田がローソン攻略に動くも、順位は変わらない。
14周目にトップの太田がピットイン。インラップの走りに加え、チームの素早いピット作業もあり、トップのままコースインすることに成功する。後ろからローソンが迫る中、前方にはステイアウト組が走っており、太田にとって苦しい状況に。しかし、太田はミスを犯すことなく、確実にトラフィックを抜けていった。
上位勢で唯一ステイアウトを選択したのは野尻。スタートで前に出たかった野尻だが、ペースが上がらずSC待ちの状況に。
結局SCは出ることなく、野尻は残り8周でピットへ。ステイアウト中にギャップを築くことができなかった野尻は、トップ3のみならず、松下にも抜かれ5番手に後退してしまった。