「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン up! 4ドアだ。

気になる点もあるけれど2ドアより使えそうだ

画像: セミATは自動シフトアップのレスポンスが今ひとつで、マニュアルモードで走ったほうが楽しい。

セミATは自動シフトアップのレスポンスが今ひとつで、マニュアルモードで走ったほうが楽しい。

Dレンジにシフトする。MTがベースなのでクリープはない。アクセルペダルを踏み込み、スタート。1500rpmからでもエンジンはアクセルの動きに反応する。軽快に走るのは2000rpmからで、トルクも太くなる。そのままアクセルを踏み込むと6500rpmまで上昇する。3000rpm以下なら耳障りな音は室内に侵入しない。乗り心地はやや硬め。目地などの乗り越えでは少し突き上げがある。

試乗時に渋滞もあったおかげで日本的な運転も体験できた。Dレンジでの加速はシフトアップ時の空走ラグがやや大きい。フォルクスワーゲンのDSG(DCT)のスムーズさを知っていると、そのフィーリングはいまひとつと感じられた。日本導入までに更なる進化を期待したいところだ。

空いた道ではマニュアルモードを多用してみた。5000rpmまで各ギアで引っ張ると、1速で40、2速で65、3速で100km/hに達する。100km/h巡航はDレンジ5速で、2700rpm。速い流れのアウトバーンでは、160km/hでの巡航もできた。高速での安定感、室内の快適性に不満はなかった。

気になる燃費は車載の燃費計で、12〜18km/L。燃費を気にしないテスト走行だったことを考慮すると、日本では20km/Lをマークすることも可能だろう。このup!4ドアの日本導入は、今秋(編集部註:2012年秋)を予定している。車両価格はドイツ本国で、ベースモデルで約100万円。装備を充実させた状態での日本仕様が170万円前後なら、ポロを上回るヒット車になりそうだ。

(編集部註:up!の日本仕様は2012年10月に4ドアが168万円からの車両価格で発売されました)

画像: ボディ同色パネルを用いたインテリアはポップな雰囲気。日本仕様は右ハンドルになるはずだ。

ボディ同色パネルを用いたインテリアはポップな雰囲気。日本仕様は右ハンドルになるはずだ。

フォルクスワーゲン ムーブ up!(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3545×1650×1495mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:920kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:999cc
●最高出力:55kW(75ps)/6200rpm
●最大トルク:95Nm(9.7kgm)/0-4300rpm
●トランスミッション:5速セミAT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・35L
●JC08モード燃費:23.1km/L
●タイヤサイズ:165/70R14
●当時の車両価格(税込):168万円

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