被災地では車体を変形させて最前線の基地として機能
ディザスター サポート モバイル−ハブの走行モード時の姿は少し背が高いキャラバンにしか見えませんが、被災地に着くとトランスフォームして災害対応を行う基地に早変わりします。
どうトランスフォームするかというと、バックドアと左側スライドドア部分がそれぞれ外側に展開し、車内スペースが拡大します。拡大したスペースは緊急の医務室や外部との通信や司令を出すコントロールルームに充てられています。
また、車内には折りたたみ式の公衆電話ボックスほどの大きさの防音ブースが積み込まれており、これも車体に接続することができます。なぜ防音室を備えたのかというと、ちゃんと理由があります。被災した人が集まる場所ではこういった空間が必要になるからです。
例えば赤ちゃんが泣き止まないときなどには、この防音室に入れば周囲に気を使わないでいられる空間として重宝されるでしょう。また、この防音室にポータブルトイレを設置すれば快適なトイレにもなります。
ポータブル電源や衛星通信など最新鋭のハイテク機器を搭載
このほかに、調理などができるキャスター付きのコンロとギャレー、施錠できるスマホ充電用ロッカー(30箱)、携帯電話の電波が届かない山奥や通信インフラが破壊された状態でもインターネットに接続できる衛星通信システム「STARLINK」、電子掲示板も兼ねたウインドウも搭載されています。
このコンセプトカーを見た直後は単なる「カッコいいアウトドア仕様のキャラバン」だと思っていました。しかし、実際には災害現場や被災地で求められる機能を盛り込んだ実用性を感じるものに仕上がっていました。
仮に消防関係者や防災の専門家が監修すれば、さらにリアリティのあるクルマになりそうだ、そんな可能性を感じました。(写真:井上雅行)