この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第30回目は、美しいシルエットのオープンモデルとして話題をよんだ、ダイハツ コンパーノ・スパイダーの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

イタリアンムードを纏った快速スポーツ

ダイハツが戦後初の試作乗用車を発表したのは昭和36(1961)年10月の第8回全日本自動車ショーにおいてのことだった。このあたりから同社の 「イタリアン・デザイン」への傾倒ぶりが顕著にうかがえた。

画像: 木目のインストルメントパネルに黒い4眼メーター。ステアリング形式はボールナットだが切れ味鋭く、ロックtoロ ック は3.5回 転とクイックだ。

木目のインストルメントパネルに黒い4眼メーター。ステアリング形式はボールナットだが切れ味鋭く、ロックtoロ ック は3.5回 転とクイックだ。

翌37年の第9回ショーへの出品作(コンパクト・バン)は、カロッツェリア・ヴィニヤーレのデザインによる作品だった。

同社とヴィニヤーレの結びつきはきわめて強く、またその作品の出来映えも優れており、ワゴン、バンに続いて昭和39(1964)年2月発売のコンパーノ・ベルリーナ800も均整のとれた美しいシルエットが印象的だった。

そしてこの2ドアのみのベルリーナの屋根をとり払ってオープン化したのが、昭和40年4月に発売されたコンパーノ・スパイダーだった。

エンジンはFE型、 直4OHV、958cc(68.0× 66.0mm)で、可変ベンチュリーのSUキャブレターを2連装して、最高出力65ps/6500rpm、最大トルク7.8kgm/4500rpmを発生した。これに4速ギアボックスが組み合わされ、0→400m加速が18.5秒、最高速145km/hをマークした。

ラダーフレーム付のため、オープン化は比較的容易で(サイドシルの断面増大、クロスメンバーの追加などの補強が行われた)、車重も35kg増の790kgに抑えることができた。馬力当り重量は12.2kg/psとまずまずに収まった。

画像: ツイン可変ベンチュリーキャブでチューンされたFE型エンジンは、実用型のOHVながらリッターあたり出力が世界一とカタログに謳われた。

ツイン可変ベンチュリーキャブでチューンされたFE型エンジンは、実用型のOHVながらリッターあたり出力が世界一とカタログに謳われた。

イタリアンルックのボディは「シューティング・ライン」 の愛称がつけられたが、価格は69万5000円と、トヨタS800(59万5000円 )や ホ ン ダS600(56万3000円)などより約10万円も高かったため、売れ行きは今ひとつ伸びなかった。

ダイハツ コンパーノ・スパイダー(F40K型)諸元

●全長×全幅×全高:3795×1445×1350mm
●ホイールベース:2220mm
●車両重量:790kg
●エンジン型式・種類:FE型・直4OHV
●排気量:958cc
●最高出力:65ps/6500rpm
●最大トルク:7.8kgm/4500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.00-14 4PR
●新車価格:69万5000円

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