1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ブラバム BT62だ。

ブラバム BT62(BRABHAM BT62:2018〜2024)

画像: 車名の「BT」とは、ジャック・ブラバムと、後にラルトを設立したロン・トーラナックの頭文字に由来する。

車名の「BT」とは、ジャック・ブラバムと、後にラルトを設立したロン・トーラナックの頭文字に由来する。

1950~60年代のF1グランプリでレーシングドライバーとして活躍したジャック・ブラバムは、1962年、自らレーシングカー コンストラクターを興す。そして1980年代にはネルソン・ピケがチャンピオンを獲得するなどF1グランプリで活躍、名門F1コンストラクターとなった。

その後、成績不振からブラバムの名は消滅したが、ジャックの息子でF1レーシングドライバーでもあったデイビッドがブラバムの名を復活させ、コンストラクターとして2015年から世界耐久選手権(WEC)に参戦している。そのデイビッド率いるブラバム オートモーティブが2018年に発表したのが、サーキット走行専用車として開発された「BT62」だ。

FIAのGT3レギュレーションに則って開発されたBT62は、シャシやボディパネルにカーボンファイバーを多用、乾燥重量は1トンを切る972kgと、きわめて軽いのが特徴だ。さらに、リアの巨大なウイングやフロントおよびボディサイドの大型エアインテークなど、佇まいはレーシングカーそのものだ。ミッドに搭載されるパワーユニットは、自社開発の5.4L V型8気筒の自然吸気DOHC。最高出力は700ps、最大トルクは667Nmというスペックで、トランスミッションは6速のシングルクラッチAMTを組み合わせる。

デイビッドは、このBT62でル・マン24時間を初めとするWECで優勝することを目指し、BT62は当初サーキット走行専用モデルとして開発された。だがロードバージョンを望む声が多く、公道走行を可能にするオプションが設定されている。その内容は、ロードクリアランスを上げ、ステアリングの切れ角を大きくし、エアコンやドアロック、盗難防止装置などを装着するというものだ。

ハンドル位置は左のみで、限定生産台数は70台。価格は100万ポンド(約1億3000万円)で、公道走行用のオプションは15万ポンド(約2000万円)といわれている。その後ブラバム オートモーティブは、GT2参戦車両の「BT63」を70台限定で発表したが、2024年に会社を解散。いずれも総生産台数は定かではない。

画像: メーターは全面モニター。ステアリングホイールもレーシングカー用そのもの。センターダッシュのタッチパネルにスイッチ類が備わる。

メーターは全面モニター。ステアリングホイールもレーシングカー用そのもの。センターダッシュのタッチパネルにスイッチ類が備わる。

ブラバム BT62(サーキット仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4460×1950×1200mm
●ホイールベース:2695mm
●車両重量:972kg
●エンジン種類:90度V8 DOHC
●総排気量:5389cc
●最高出力:700ps/7400rpm
●最大トルク:667Nm/6200rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・125L
●トランスミッション:6速AMT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前27ー65ー18、後31ー71ー18

画像: amzn.to
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