2024年1月30日、トヨタ自動車株式会社代表取締役会長(以下、会長)の豊田 章男氏が、創業の原点を振り返り、トヨタグループが進むべき方向を示すビジョン「次の道を発明しよう」を発表しました。相次ぐグループの不正問題につき陳謝する一方で、新たなリーダーシップへの取り組みについても、明らかになりました。
14年越しの立て直しを経て、ふたたびの覚悟
思えば2009年、全世界的に起こった「リコール問題」でトヨタは、企業イメージに深い傷を負いました。豊田会長はそれを振り返り「この時、トヨタは一度つぶれた」と考えたといいます。そしてその時も、トヨタの責任者としてすべての責任を負う覚悟を決めたそうです。
それから14年、事業体としてのトヨタグループの業績自体は、絶好調と言っていいでしょう。1月30日に発表された2023年の年間(1月-12月)販売・生産・輸出実績レポートでは、ダイハツ工業と日野自動車を含むグループ全体でのグローバル販売・生産が過去最高となりました。トヨタ単体の実績値としても、初めて1000万台を超えています。
今、ふたたび表明された「覚悟」の延長線上に、豊田会長は「商品が中心で人中心の企業風土ができると確信している」と力強く語ります。トヨタは今回の問題を乗り越える中で、グループ全体でのさらなるグレードアップを果たすことになりそうです。
同時にそこには、根本としての「日本らしいモノづくり」についても、考えさせられるものがある、と感じられました。見失いかけた原点を今一度振り返るべきはもしかすると、トヨタグループだけではないのかもしれません。
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