この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第43回目は、ファストバックのスタイルが人気を呼んだ日産ダットサン・サニークーペの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

打倒カローラの切り札として大きな存在となる

小型車市場が日産のブルーバードとトヨタのコロナでほぼ二分されていた昭和41(1966)年4月、新たに大衆車市場への進出を狙って発売されたのが初代B10系のサニー 1000だった。

画像: 当時のフォード・マスタングにも似たリアスタイルと言われた。ファストバックのこの可愛らしいオシリはサニー人気を盛り上げるのに一役買ったのは間違いない。

当時のフォード・マスタングにも似たリアスタイルと言われた。ファストバックのこの可愛らしいオシリはサニー人気を盛り上げるのに一役買ったのは間違いない。

堅実な機構とシンプルな内外装や低価格で滑り出しは好調だったが、11月に「プラス100ccの余裕」を謳ったカローラ1100が登場すると、一転してサニーは「内外装がシンプルすぎる」などと言われて、後発のカローラに水をあけられることになる。

そこで翌昭和42(1967)年4月には従来の2ドアセダンに加え4ドアを追加、同時に4速フロアシフトのスポーツを設定した。

そしてさらに昭和43(1963)年3月にはスタイリッシュなファストバックのクーペを発売する。クーペはセダンの発展型ながら、バランスの良いファストバックスタイルによるスポーティなイメージで大きな人気を得ることになる。

エンジンは直列4気筒OHV、988ccのA10型。基本的にセダンのものと同じながら、そのままでも好評だったエンジンにチューンが加えられ、より軽快な吹け上がりを見せ、最高出力は56psから60psにアップされていた。(最高出力60psは6000rpmで実現)。

車重が675kgと軽いのも大きなポイントで、パワーウエイトレシオは11.25kg/psとスポーツカー並みの高水準を達成していた。最高速は140km/h、 0→400m加速は18.4秒をマークした。

画像: シンプルですっきりとした運転席まわり。右にタコメーター、中央にスピードメーターを配し、左に水温計が配置される。ステアリンググリップはウッド。

シンプルですっきりとした運転席まわり。右にタコメーター、中央にスピードメーターを配し、左に水温計が配置される。ステアリンググリップはウッド。

このスポーティなクーペの設定により、B10系のサニーは再び人気を盛り返し、ライバルとなったカローラとの激しいせり合いを続けることになった。

日産ダットサン・サニークーペ(B10型)諸元

●全長×全幅×全高:4215×1565×1375)mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:1035kg
●エンジン型式・種類:9R型・直4DOHC
●排気量:1587cc
●最高出力:110ps/6200rpm
●最大トルク:14.0kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45H-14-4PR
●新車価格:100万円

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