この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第52回目は、高性能FFスポーツカーとして注目を集めたホンダ1300 99Sの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

ホンダ初のハイパフォーマンス小型乗用車

本田技研が、小型乗用車市場への本格的な進出を狙って、昭和44(1969)年5月に発売したのがホンダ1300である。ボディは4ドアセダンで、駆動方式はFF。強制空冷式のDDAC(デュオ・ダイナ・エア・クーリング)システムを採用した4気筒SOHC、 1298ccのエンジンを横置き搭載した。

画像: シングルキャブで100psを発生する4気筒1298ccエンジンを搭載したホンダ1300 77シリーズ。おとなしいスタイルだが、こちらも当時としてはかなりパワフルなクルマとなっていた。

シングルキャブで100psを発生する4気筒1298ccエンジンを搭載したホンダ1300 77シリーズ。おとなしいスタイルだが、こちらも当時としてはかなりパワフルなクルマとなっていた。

シングルキャブで100psを載せた77シリーズと、4キャブで115ps搭載の99シリーズがあり、77シリーズで175km/h、99シリーズでは185km/hの動力性能を発揮した。99Sはタコメーター、砲弾型ミラーなどを装備したスポーティモデルだ。昭和44(1969)年12月にはシングルキャブは95psに、4キャブは110psにそれぞれデチューンされた。

昭和45(1970)年2月、ノッチバックの2ドアクーペを追加。シングルキャブの95ps搭載車は「クーペ7」と呼ばれ、4キャブの110ps搭載車は「クーペ9」と名付けられ、クーペ7で175km/h、クーペ9では185km/hをマークした。さらに、昭和45(1970)年11月のマイナーチェンジで、セダンは4キャブの99シリーズを廃止、シングルキャブの77シリーズのみとし、車名もホンダ77と改められた。

クーペは昭和46(1971)年6月にマイナーチェンジとなった。エンジンは最上級グレードのみに4キャブの110ps仕様を残したほかは、すべてシングルキャブとなった。

画像: 発売当初のエンジンはケイヒンキャブを4連装し115psを発生。エンジンオイル潤滑は空冷エンジンだからということもあるが、ドライサンプ方式を採用している。

発売当初のエンジンはケイヒンキャブを4連装し115psを発生。エンジンオイル潤滑は空冷エンジンだからということもあるが、ドライサンプ方式を採用している。

昭和47(1972)年11月には、ついにエンジンをホンダがこだわり続けた空冷式をやめ、水冷4気筒SOHC1433ccのEB5型に換装し、ホンダ145とした。シングルキャブで80psを発揮する仕様が中心だったが、クーペF1に90psを発生する高出力型を搭載した。

ホンダ1300 99S(H130型)諸元

●全長×全幅×全高:3885×1465×1345mm
●ホイールベース:2250mm
●車両重量:895kg
●エンジン型式・種類:H1300E型・直4SOHC
●排気量:1298cc
●最高出力:115ps/7500rpm
●最大トルク:12.05kgm/5500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.2H-13 4PR
●新車価格:68万円

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