日常性を損なうことなく、一歩先の領域へ
たとえばインテリアの設えひとつとっても、ヴェローチェがスポーツレザーなのに対してクアドリフォリオはスペシャルなレザー/アルカンターラコンビとなる上に、カーボンインサートのアレンジが加わります。シートはスパルコ製カーボンバケットタイプ、加飾もカーボンパネル(3D仕上げ)となります。
もちろんヴェローチェの質感に不満を感じることは、ないはずです。アルミニウムスポーツペダルやキックプレートなどは共通、オーディオも変わらず、極上のharman/kardonプレミアムオーディオシステム(14スピーカー/900Wアンプ)が奢られています。とはいえもしも乗り比べてみたならば、キャビンの雰囲気が少し違っていることがわかるしょう。
絶対的な速さではなく、操る楽しさといった感性面でもクワドリフォリオには特別な装備が設定されています。アクティブサスペンションやALFAシャシーメイドコントロールは、日常的な快適性を犠牲にすることなく、とびきりのスポーティ感を楽しませてくれるはずです。
クアドリフォリオではさらに、一歩踏み込んだ先の領域での安心感が違ってきます。ALFAアクティブトルクベクタリングや、メカニカルスリップディファレンシャルといった、より積極的なドライバビングに応える装備も万全。チューニングが施されたスポーツブレーキもまた、意のままにクルマを操るためにこだわり抜かれたデバイスです。
本誌6月号の特集ではレクサスの特別な1台「IS 500」とともに、フラッグシップスポーツサルーンとしてのジュリア クワドリフォリオを比較試乗しています。自動車評論家 大谷達也氏によって、五官にもたらされるさまざまな「感動」がつぶさに物語られているのですが、そこから見えてくる(聴こえてくる?)のは「音」の魅惑なのでした。
V6ユニットとツイン デュアルエキゾーストが奏でる「官能的なサウンド」は確かに、クアドリフォリオのオーナーだけが味わうことができる恩寵と言えそうです。