MC12をオマージュした、2つのスペシャルシリーズ
2004年、マセラティはMC12によって37年ぶりにモータースポーツシーンに復帰した。ジョルジェット・ジウジアーロによって設計され、フェラーリ由来のV12エンジンを搭載。車名のMCはマセラティ コルセ(レーシング)の略、12はV12を意味した。当時としてはマセラティの歴史上最速の量産車で、最高速度は330km/h、0→100km/h加速は3.8秒。生産台数は、わずか50台だった。
MC12は、2004年から2010年の間に、スパ・フランコルシャン24時間レースの3勝をはじめFIA GT選手権で27勝し、ヴィータフォン レーシングチームは6度のチームチャンピオンシップと2度のFIA GT1世界選手権を含む5度のドライバーズチャンピオンシップ、そしてマセラティは2度のコンストラクターズ チャンピオンシップを獲得している。
そんなMC12は、現在のマセラティのスーパースポーツカー、MC20の誕生に大きな影響を与えたことは間違いない。100%イタリア製で、革新的なV6ネットゥーノ エンジンを搭載した最初のモデルとして、2020年にマセラティの新時代の始まりを示した。
今回発表された2種のMC20 スペシャルシリーズは、それぞれ30台の限定モデルだ。まず、MC20「イコナ」。イコナとはイタリア語でアイコンの意味。2004年のMC12 ストラダーレと同じボディカラーで、これは1959年から61年に生産された、マセラティ バードケージ「ティーポ61」にインスパイアされ、デイトナ24時間レースに出走したマセラティ トロフェオ ライトへのオマージュでもある。
パーソナライゼーション プログラムであるフォーリセリエにより、ビアンコ オーダーチェ マッテ(マットのホワイト)とブル ストラダーレ(ブルー)のカラーリングで、フロントフェンダー後ろのMC20ロゴの下にはイタリア国旗が配されている。
クロームメッキのホイールはトライデント デザイン。中央のハブキャップはシルバーで、トライデントのマークは対照的なブルーだ。ブレーキキャリパーも青く塗られ、ミラーは自動調光機能付き、エンジンカバーはカーボンファイバー製となる。