「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、シトロエン DS5だ。

内外装は凝っているが、走りはオーソドックス

画像: ずば抜けて速いわけではないが、エレガントにもスポーティにも走れるしなやかさを際立たせた味つけは、いかにもフランス車的だ。

ずば抜けて速いわけではないが、エレガントにもスポーティにも走れるしなやかさを際立たせた味つけは、いかにもフランス車的だ。

そして、エンジンのスターターボタンを押すと、おずおずとクリアなヘッドアップディスプレイが立ち上がってくる。こちらには、走行速度やクルーズコントロール/スピードリミッターの状態などが表示される。さらに上を見上げれば、運転席、助手席、後席と3分割され、それぞれに独立したサンシェードが設けられたコクピットルーフにコンソールボックス・・・。と、なんだか飛行機のコクピットに収まったかのよう。これまでもこういう手法のものはあったが、ここまで飛行機っぽいものも珍しいだろう。

とはいえ、パワーユニットは1.6LのツインスクロールターボエンジンにアイシンAW製の6速ATを組み合わせており、飛行機のようにカッ飛ぶという感じではない。足まわりもシトロエン伝統のハイドロニューマチックではなく、DS4で定評のある、マクファーソンストラット/トーションビームと、見た目と比べてかなりオーソドックスだ。しかし、かえってこれが扱いやすい。

エレガントにもスポーティにも走れるしなやかさを際立たせた味つけは、想像以上にどんな路面でも快適走破性が高かった。このクルマ、デザインに惚れて買ってしまっても間違いない1台といえるだろう。

画像: 腕時計のベルトをモチーフにしたクラブレザーシートはオプション。予算に余裕があれば、ぜひ装着したいところだ。

腕時計のベルトをモチーフにしたクラブレザーシートはオプション。予算に余裕があれば、ぜひ装着したいところだ。

シトロエン DS5 シック 主要諸元

●全長×全幅×全高:4535×1870×1510mm
●ホイールベース:2725mm
●車両重量:1445kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:115kW(156ps)/6000rpm
●最大トルク:240Nm(24.5㎏m)/1400-3500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:225/50R17
●当時の車両価格(税込):400万円

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