「メルセデスAMG GT 63」のパフォーマンスを大きく凌駕
第2世代となって、高い走行性能に加えよりドライバー オリエンティッドが追求された「メルセデスAMG GT」ファミリーに、新たな仲間が登場した。英国伝統のモータースポーツイベント「グッドウッド フェスティバル オブ スピード2024(2024年7月11日〜14日)」で、ワールドプレミアされた「メルセデスAMG 63プロ 4MATIC+(以下メルセデスAMG 63プロ)」だ。
「メルセデスAMG 63プロ」は「メルセデスAMG GT」ファミリーの最高峰に位置づけられるモデルで、搭載される4L V8ツインターボから放たれる最高出力は612hp。これは、同タイプのエンジンを搭載する「メルセデスAMG GT 63」の最高出力を27hp上回るものだ。最大トルクもプラス50Nmの850Nm。駆動は4WD(4MATIC+)で、トランスミッションは9速AT。
当然、パフォーマンスもとてつもない。0km/hから200km/hをわずか10.9秒で駆け抜ける。「メルセデスAMG GT 63」より0.5秒速い数値だ。そして最高出力は317km/h。「サーキットが主戦場と考え、最適化した」と、メルセデス・ベンツが語るだけのことはある。
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エアロダイナミックや冷却性能も格段にアップ
パワーソースのチューニングに合わせ、エアロダイナミックにも手が加えられている。フロントエプロのデザイン見直しをはじめ、サイドエアインテークへのカーボンディフレクター装備、アンダーボディへのエアロパネル アクティブ エアコントロール システムの導入などだ。とくにエアロパネル アクティブ エアコントロール システムの効果は大きく、フロントのリフト量を30kg低減させるという。
ハイパフォーマンスゆえの熱対策も抜かりない。フロントホイールの左右にふたつのラジエターが装着され、ドライブトレインの冷却に寄与する。また、ブレーキにより多くの空気を送り込むため、幾何学的な羽根をアンダーボディに配するとともに、ブレーキプレートの形状の改良も行われている。
エクステリアとインテリアは、カーボンが使われたモータースポーツ由来のパッケージが基本だ。具体的には、フロントスプリッター、トリムストリップが施されたサイドシル、ディフューザー、リアウイング、ブラックペイントキャリパー、横方向サポート力の高いAMGパフォーマンスシート、ナッパレザー&マイクロファイバーのAMGパフォーマンスステアリングなどが装備される。
ちなみに、ベースは2シーターだが、2/2の選択肢も用意されている。