2022年に復刻されたポルシェデザイン クロノグラフ1
そんな逸話を持つポルシェデザイン クロノグラフ1は、2022年に「クロノグラフ1 – 1972 リミテッド エディション」として500本限定で復活を遂げます。さらに同年11月には「クロノグラフ1 – オール ブラック ナンバード エディション」が登場。ムーブメントは自社製の「WERK 01.140」を搭載し、ケースの素材は堅牢かつ軽量なチタン製となりました。
さらに2023年6月にはポルシェ75周年を記念モデル、同年10月にはチタンカーバイト製ケースやフライバック機構を備えた自社製ムーブメント「WERK 01.240」を搭載したミリタリーテイストの「クロノグラフ1 ユーティリティ」を発売するなど、ここ数年は矢継ぎ早に魅力的な製品を世に送り出してきました。
日本とアメリカを意識した仕様の「Hodinkee 2024エディション」
今回、発表された「ポルシェデザイン クロノグラフ1 Hodinkee 2024エディション」の機能や素材は2022年にデビューした新生「クロノグラフ1」を踏襲しますが、細部が異なります。
文字盤の6時位置にある12時間計にはホディンキーの頭文字の「H」が配置されています。これは、かつて多くの軍用時計の文字盤に書かれていた「H3」という表記を模しています。「H3」とは三重水素(=トリチウム)のことで、夜光塗料にこの物質が使われていることを示していました。
ちなみに「クロノグラフ1 Hodinkee 2024エディション」の夜光塗料はトリチウムではありませんが、その色合いはトリチウム夜光がエイジングされて少し黄ばんだ、ヴィンテージ感がある色合いとなっています。この演出は多くのウォッチファンに喜ばれることでしょう。
曜日表記は英語と日本語のどちらかを選択できるほか、多くのクロノグラフに採用されているタキベゼルの単位は「km」ではなく「Mile」表示となります。これはホディンキーが生まれたアメリカを意識した演出です。
またケースバックには「HODINKEE」ロゴとその頭文字の「H」、発売年を示す「2024」、さらに限定数を表す「xxx/350」など、それぞれに意味が込められた文字が刻まれています。
もうひとつ注目したいのが、同じくケースバックに刻まれた「TRILOGY - CHAPTER 1」の文字です。つまり、この「クロノグラフ1 Hodinkee 2024エディション」は、トリロジー(=3部作)の第一章ということになり、今後の展開にも期待できます。