マクラーレンがライバルを圧倒、終盤は「チームオーダー」発令
金曜日の走り出しからライバルに先行していたマクラーレンが、レースでも圧倒的速さで2021年以来の1-2フィニッシュを飾った。
スタートで先行したのは2番グリッドのピアストリ。ポールポジションのノリスはスタートでフェルスタッペンにアウト側から無理な追い越しを仕掛けられて3番手まで後退。その際にフェルスタッペンがコース外走行をしていたため、ノリスは4周目に2番手に上がることになったが、ピアストリはこの時点で逃げを打っていた。
その後フェルスタッペン以下はマクラーレンのペースについていけず、レースはマクラーレンのチームメイトふたりのマッチレースへ。ミディアムからハードへの1回目のタイヤ交換を終えても2台のオーダーは変わらなかったが、変化が起きたのは2回目のタイヤ交換時だった。
通常なら首位のピアストリに優先権があるはずだが、マクラーレンは先行してピットに入った3番手のハミルトンのアンダーカットを警戒し、1-2を確実にするために45周目、ノリスを先にピットに入れたのだ。
この時点でふたりの差は4秒足らずだっため、2周遅れでピアストリがタイヤ交換に入った時点でノリスはアンダーカットに成功した形となり、ここで首位は入れ替わった。
レースはそのままノリス優勝で決着するかに思われたが、マクラーレンは中盤までレースを支配していたピアストリを前に出すチームオーダーを発令。チェッカーまであと3周となった68周目に再び2台の順位は入れ替わり、ピアストリがトップチェッカーを受けることになった。
ついに初優勝を達成したピアストリは、「表彰台の頂点に立てるなんですごく特別な瞬間だ。(F1デビューから)わずか18カ月でこれを達成できるなんて、マクラーレンに感謝したい」と喜びのコメント。
一方、またしても勝利を逃すことになったノリスは「(順位入れ替えは)チームが、やれ、というからやっただけ」とやや不満顔だった。